テーマパークの料金体系は複雑なことが多く、旅行を計画する際の悩みどころです。その点、ムーミンバレーパークのチケット体系は非常にシンプルです。
ムーミンバレーパークのチケットの種類は現在、ワンデーパスと年間パスポートの2種類あります(イベント等のチケットを除く)。
ムーミンバレーパークがオープンした2019年より料金体系は何度か変更がありました。開園直後はワンデーパス、入園パスポート、各アトラクションのチケットという複雑な料金体系でしたが、その後ワンデーパスでムーミンバレーパーク全ての施設に入場できるシンプルな料金体系になりました。
テーマパークにおいてワンデーパスとは、もともと各アトラクションごとのチケットを買わなくてもよい一括チケットという意味ですが、ムーミンバレーパークは、各アトラクションごとの料金はありませんので、基本的にワンデーパスポート=全ての施設の利用料と考えて差し支えありません。(※ジップラインやイベント等を除く)
年間パスポートはワンデーパスの約3~4倍程度の価格ですので、年4回以上利用する人は検討に値しますが、通常の旅行者はワンデーパスで良いでしょう。その他、期間限定でナイトパスなどの特殊チケットやイベントチケットが販売されることはありますので、旅行の日程に合わせ、ムーミンバレーパークのホームページを確認してみてください。
ムーミンバレーパークのワンデーパス
ワンデーパスとはムーミンバレーパークとその各アトラクション全ての入場券のことで、ムーミンバレーパークの公式ホームページでは1デーパスと表記されています。ワンデーパスには、当日その場で買える当日券と前日までに購入する前売り券があります。
ワンデーパス当日券の買い方
ムーミンバレーパークの当日券は、ムーミンバレーパーク入口にあるチケットブースで購入できます。ムーミンバレーパークの入口はバス停や駐車場があるメッツァ入口から入園後、徒歩10分ほどの場所にあります。
他のページで何度も説明していますが、メッツァとは「ムーミンバレーパーク」「メッツァビレッジ」という二つの施設の総称です。「メッツァビレッジ」は入園無料ですので、チケット無しで自由に出入りできます。

メッツァビレッジは単純な構成ですので、迷う心配は全くありません。写真1の1.メッツァ入口からまっすぐ進むと三叉路があり、そこを左にまっすぐ進むと突き当りにムーミンバレーパーク入口があります。

写真2がムーミンバレーパークの入口です。写真の左側がチケットブースで、ここで当日券のチケットを購入できます。
ムーミンバレーパーク当日券の料金
ワンデーパスの当日券料金がムーミンバレーパークのチケットの定価と言えます。前売り券やアソビューのオンライン購入は、当日券料金を割引いた料金と考えてください。
ムーミンバレーパークのワンデーパス当日券料金は以下の通りです。
大人4300円(中学生以上)
小人1300円(4歳から高校生)
他のテーマパークなどでは時間や入場可能エリアの選択によってチケットの種類が多数用意している所があります。それはよく言えば、来園者のニーズにきめ細やかに対応しているといえますが、正直なところ煩雑すぎます。多種類のチケットをさらに、割引チケットを出したりすると、誤解やトラブルの元になります。安いと思って買ったら、思っていたチケットと違うものだったという話を良く聞きます。
その点、ムーミンバレーパークの料金体系の単純化は英断だったと思います。チケットの購入で余計に頭を悩ますことなく、ゆっくりと楽しめるテーマパークになりました。
子供に手厚い料金体系
以前のムーミンバレーパークの料金と比較すると、大人料金が3600円から4300円と値上になっているのに対し、子供料金は2200円から1300円と大幅値下げになっています。しかも以前の子供料金は「4歳から小学生まで」でしたが、改定後「4歳から高校生まで」と範囲も大きく広がりました。前売り券の割引率は、大人が9%offに対し、子供はなんと23%offの1000円にまで引き下げられます。このような子供優遇措置は、もちろんファミリー層を増やしたいという意図ですが、このことは現在のムーミンバレーパークの主力客層が大人が多く、子供の割合は少ないということを示しています。データが出ているわけではありませんが、私が実際にムーミンバレーパークに入場した実感として、他のテーマパークに比べ大人の割合が高いように感じていました。ムーミンの原作小説の題材からして、子供には難しい部分も多く、大人の方が深く理解できるというのは間違いありませんが、テーマパークとしては子供が楽しめるアトラクションや遊具などもそろっていますので、子供達にも多く来てほしいものです。いずれにせよ、この料金体系は家族連れにとっては、かなりのお買得感があると思います。
旅行の場合、チケットは当日券と前売券どちらを買うべきか
当日券は、気の向いた時に行けるというメリットがありますが、いくつかのデメリットもあります。まず最も大きなデメリットは混雑状況によって入場制限がかかり、場合によってはチケットが買えない場合も考えられるという点です。ムーミンバレーパークの場合、今の所そのようなことはほとんどありませんが、ゴールデンウィークや夏休みシーズンの土日祝日等は、混雑する場合もあります。旅行で訪れる場合、万全を期すなら前売券を買うべきです。
当日券のデメリットとして、他にはチケットブースで行列ができる場合があるということです。ムーミンバレーパークの入り口は一か所しか無く、消毒や検温もあるため、混雑時は多少時間がかかります。当日券の場合、チケット購入時とゲートからの入場時で二回待たされることになります。スムーズな入園という意味においても前売券が望ましいでしょう。料金も前売券の方がもちろん安いですので、旅行の際のムーミンバレーパークチケットは総合的に前売券に軍配が上がるということになります。
ムーミンバレーパーク前売りチケットは「アソビュー」のデジタルチケットが基本
ムーミンバレーパークの前売券は、公式ホームページ、コンビニの他「アソビュー」などのテーマパークチケットサイトで購入できます。
コンビニでの前売チケット購入
コンビニでのチケット購入についてはセブンイレブン・ローソン・ファミリーマート系列のコンビニでチケット端末を利用して購入することができますが、コンビニ決済をした場合、キャンセルができないというデメリットがあります。旅行日程の変更や天候によって日を変えたい場合、クレジットカードなどで決済した場合、前日まではキャンセルすることができます。コンビニ決済をした場合は、一度購入したチケットをキャンセルすることは原則できません。旅行に出発後、直前で決済するという方法もありますが、旅行中にコンビニに立ち寄ってチケットを買うということは慌ただしいため、出来れば出発前に購入しておきたいところです。クレジットカードを所有してなかったり、WEB環境がない場合、前売券はコンビニでチケット購入するしかないのですが、それ以外はWEB購入、クレジットカード決済が望ましいと思います。
ムーミンバレーパーク公式ホームページでの前売チケット購入
以前はムーミンバレーパーク公式ホームページで直接ワンデーパスを購入ができましたが、現在は公式ホームページからリンクが貼られ、「アソビュー」のサイトで購入する流れになっています。
「アソビュー」での前売チケット
アソビュー自体、まだ十分に知名度がありませんので、その説明から始めます。アソビューは2012年に出現した予約サイトで、アソビュー株式会社という日本企業が運営しています。アウトドアなどの体験型レジャーをはじめ、テーマパーク、博物館など日本国内のさまざまな施設をウェブ上で予約購入するサイトです。海外旅行では、現地についてからのオプショナルツアー専門の旅行会社が数多くありますが、このオプショナルツアーの日本国内版と考えるとわかりやすいと思います。スマートフォンが普及したことにより、ネット上で購入したチケットをバーコード表示し、旅行先の施設でバーコードを読み込むことにより入場管理するというビジネスが成立するようになりました。
アソビューはベルトラ、Kkday、Klook、Tiqets等のオンラインオプショナルツアーの会社と類似しています。これらは海外旅行や海外から日本の旅行者、すなわちインバウンド旅行を主に想定していますが、「アソビュー」の特徴は日本国内に特化しているということです。同じく日本国内に特化した予約サイトにHIS系列の「アクティビティジャパン」がありますが、こちらはアウトドアアクティビティ中心、アソビューはインドア体験型レジャーやテーマパークなどに強みを持ち、ゆるやかに棲み分けができている印象です。
これら予約サイトの内でも、国内テーマパークに関してはアソビューが最も充実しており、ムーミンバレーパークにおいては、アソビューがほぼ独占的といっても良いでしょう。
過去には何度か、期間指定無しの1DAYパスポートが販売されていたことがあります。このようなアソビュー限定チケットは、公式ホームページでの前売券を価格よりも安く購入できます。ムーミンバレーパークにかかわらず、アソビューでは特別価格のチケットを数多く用意していますので、探してみてください。アソビュー登録のメリットとして、ひとつには特別価格、クーポンの配布、ポイントが加算などが挙げられますが、旅行する上で便利なのは、一度アカウントを作っておくと、さまざまな旅行スポットの前売り券を買う時に、いちいち個人情報を入力しなくても、即座に購入でき、そのままスマホでバーコードを表示させるだけで入園できるという利便性にあります。アソビューのホームページではテーマパークだけでは無く、全国の遊園地、水族館、動物園、体験施設、アウトドアレジャー、アミューズメント施設など幅広く揃っています。アソビューに限らず、上記のようなチケットサイトは、会員登録は無料でいつでもできます。チケットを買うときに慌ててアカウントをつくるよりも、会員登録を事前に済ませておいて、いつでもすぐ利用できる状態にしておくことが、スムーズな旅行をするためのコツといえます。
アソビューの新規登録はこちらからできます。
遊び予約/レジャーチケット購入サイト「asoview!(アソビュー)」


ムーミンバレーパークのチケット購入方法を利便性で評価すると
ムーミンバレーパークはチケット売り場が少ないが、ストレスなく入れる
ムーミンバレーパークのチケットの購入方法は、他のテーマパークと比較すると、非常にシンプルでわかりやすいと言えます。また、窓口で直接チケットを購入する場合も、回転が早く行列は少なめです。
まず当日券チケットの購入について見て見ましょう。当日券はムーミンバレーパークの入口横にあるチケットブース1箇所のみです。しかもチケットブースの窓口は5つで、人気テーマパークのチケット窓口としては、不足しているように感じるでしょう。しかし、意外に混雑や行列できにくく、発券はテンポ良く進んでいきます。
ムーミンバレーパークのチケットブースが混雑しずらい理由
ムーミンバレーパークのチケットブースが小規模でも問題無いのには2つの理由があります。
一つには、ムーミンバレーパークの料金体系がシンプルなため、売り場窓口でチケットを選んだり、チケットの説明したりという、余計な時間ロスが無いといことが挙げられるます。窓口に並ぶ人のほとんどは、1dayパスという唯一のチケットを買います。ちなみに、ムーミンバレーパークのチケットブースにてチケットを購入する場合は、現金、クレジット、交通系電子マネー、PAYPAYなどのバーコード決済全て可能です。このうち最も時間ロスが大きいのが現金払いです。顧客が財布からお金を取り出す時間が意外と時間を消費します。他の手段であれば数秒です。現金利用率は年々減少していますから、将来的には窓口での行列問題というのは、意識する必要はなくなるかもしれません。
もう一つの行列の要因として、ある時間帯に集中してしまう場合です。例えば、連絡バスに50人乗っており、その50人が一斉にチケット売り場窓口に来た場合、一時的にかなり混雑します。このようなことは、バス停からチケット売り場までが近いテーマパークで起こりがちです。しかし、ムーミンバレーはこれには該当しません。駐車場からチケット売り場まで徒歩10分強かかり、人の徒歩速度は違うので、うまい具合にばらけます。また、ムーミンバレーパークの駐車場からチケット売り場の間は、メッツァヴィレッジという無料エリアですので、ムーミンバレー入場前にそちらから散策する人も多くいます。つまり、バスなどでまとまった人が来場しても、チケット売り場の手前で、適当に分散する仕組みになっているという事ができます。
これらの二つの理由により、ムーミンバレーパークのチケットブースは小規模にも関わらず、スムーズに流れ、行列が出来にくいストレスフリーな環境になっているのです。
チケットブースとムーミンの世界観
ムーミンバレーパークのチケットブースというのは、ムーミンの世界観を表現する上で、実は非常に重要です。ムーミン原作の第一巻「小さなトロールと大きな洪水」でムーミン達は深い森の中をさまよい歩き、理想郷のようなムーミン谷を発見します。メッツァビレッジの明るい広場から森を抜けてムーミンバレーパークに向かう景観は、ムーミン達が辿った軌跡を、あたかも追体験するかのようですが、そこで入口に現代風の大きなチケットブースと数多くの窓口が並んでいれば興ざめです。
ところで、ムーミンの原作が描くムーミンの世界においても遊園地は存在します。トーベヤンソンの短編小説「しずかなのが好きなヘムレンさん」はムーミン、ミイ、スナフキンなどの主要キャラクターは全く登場しない異色作です。主人公はムーミン世界ではヘムルと呼ばれる民族の青年です。このヘムレンさん(注:ヘムレンさんとは、仮の名前で、作者は別巻などで出てくる何人ものヘムル族のキャラクターを全てヘムレンさんと呼んでいます)の職業が遊園地のチケットのはさみを入れる係です。ヘムレンさん毎日チケットにハサミを入れ続けるだけの人生に嫌気をさし、廃墟になった公園に一人きりでこもります。ヘムレンさんが辞めたあと遊園地は倒産し、遊園地の顧客であった子供たちはヘムレンさんの廃墟に訪れるようになります。やがてヘムレンさんは気づきます。ただ退屈だと思っていた遊園地でのチケット係としてのヘムレンさんは、どれだけ子供達に慕われていたのかということに。ヘムレンさんは遊園地を辞めたことを少し後悔しはじめますが、既に遊園地は無くなってしまいました。そこでヘムレンさんは子供たちとともに廃墟の中で、子供たちとともに遊園地を再建するというストーリーです。
ムーミンシリーズでは、基本的に物語の主役は常にムーミン、ムーミンパパ、ムーミンママ、スナフキン、スノークのおじょうさん、ミイ、スニフといった主要キャラクター達で、彼らを中心にストーリーは展開します。その他に、ヘムル、フィリフヨンカ、ホムサなどの多数の種族のキャラクターが多数登場します。これらはムーミン谷に住む妖精の一種という設定ですが、彼らには固有の名前も無く、常に脇役です。脇役の妖精たちは、何か満たされない思いを持ちながらも、ムーミン谷で生きがいを見つけていくというストーリーが、ムーミン達のメインストーリーと同時展開しています。読んでいるうちに、もしかすると、この脇役の妖精たちは、ムーミン谷に紛れ込んだ私たち人間のことではないかと、思えるようになってきます。寂しげで、不満足で、何かにおびえているムーミン物語の小さなわき役たちの声に耳をかたむけると、自分自身そのものではないかと思えてさえきます。
ムーミンバレーパークの小さなチケットブースと簡素なゲートは、あたかも、このヘムレンさんがチケットにハサミを入れている姿をイメージできます。ヘムレンさんが、ヘムレンさんと同じように仕事に疲れ、人生に退屈し、何かを求めている旅人たちが、ムーミンバレーパークへ迷い込むのを待ち構えていると想像するとどうでしょうか。悩み多き我々も、ムーミンバレーパークの中で何か人生の糸口が見つかるかもしれません。
他愛もない話はこの辺にしておき、チケットの話に戻りますと、ムーミンバレーパークの入り口にあるチケットブースで当日券を買うというのは、最も簡単でストレスの無い入場方法であるのは間違いありません。チケットの料金体系のシンプルな点や、スムーズな流れ、無料エリアを間に挟むことによって顧客の分散される点、決済手段の多さなど考慮すると、ムーミンバレーパークの現地でのチケット購入の利便性はかなり優れていると言えます。他のテーマパークでは、現地でのチケット購入は、それらの点で何かしらの欠点があることが見受けられます。ムーミンバレーパークは現地での当日券購入から入場までの一連の流れは、一見シンプルで目新しさの無い物に見えますが、総合力はかなり高いと評価できます。