※記事内に広告が含まれています。

新幹線熊谷駅から長瀞・秩父へ

他県から最も簡単に埼玉旅行の核心部へ行くルート

 秩父鉄道は秩父エリアと長瀞エリアを繋ぐ唯一の鉄道で、埼玉旅行のメインルートです。そして秩父鉄道に直接乗り換えできる新幹線の駅は熊谷駅の他にはありません。

 遠方から長距離移動の交通手段として飛行機、新幹線、高速バスなどが挙げられます。それらのいずれの手段全ての中で新幹線熊谷駅からのアクセスが最も簡単です。

新幹線熊谷駅から秩父鉄道熊谷駅への乗り換え

 まず熊谷駅の全体像を確認します。熊谷では大まかにいうと、新幹線、JR在来線、秩父鉄道ともに荒川に並行し東西に走っています。それらの鉄道が熊谷駅で束ねられます。JR在来線と秩父鉄道は地上を走り、その真上の高架に新幹線が並走します。地上の線路と新幹線の高架に挟まれた部分が、熊谷駅の改札階にあたります。つまり、在来線ホームや秩父鉄道ホームが1階、改札階が2階、新幹線ホームが3階ということになります。

 3階の新幹線ホームから降りる階段・エレベーター・エスカレーターは全て2階の新幹線コンコースにつながっています。熊谷駅の新幹線コンコースは売店とトイレ、待合室があるだけのシンプルな広場です。新幹線改札は一か所のみです。新幹線改札を出て左手に在来線の改札があります。新幹線改札の通過方法ですが、これはいろいろなパターンがあり、ここで全てを説明しきれません。別ページを設けて解説する必要がありそうです。最も基本的なパターンが、新幹線特急券と乗車券の2枚組の紙のチケットです。この場合は、2枚組のチケットを同時に新幹線改札機に入れます。そのうち1枚が出てきますので、忘れず受け取って下さい。そして次に現れる在来線改札機に出てきた残り1枚のチケットを入れて完了です。

 新幹線特急券と乗車券が一枚にまとまっている場合もありますが、この場合は新幹線改札機に1枚入れて、その1枚が出てきますので、それを在来線改札機に入れ出場します。

 つまり新幹線の出場時は持っているチケットを全部入れ、出てきたチケットを取り忘れないということがポイントです。

 次にスイカなどの交通系ICカードを併用する場合は、先に新幹線特急券を新幹線改札機に入れ、その後交通系ICカードをタッチするのがポイントです。その場合新幹線改札機からは何も出てきませんので、在来線改札機ではもう一度交通系ICカードをタッチして出場します。

 熊谷駅は新幹線を降りて出場するまで、この一通りのルートしかありませんのでわかりやすい駅と言えます。駅員んが常にいますし、降車客も少ないので間違う心配はまずありません。

熊谷駅新幹線改札機とコンコース
写真1:熊谷駅新幹線改札機とコンコース

上の写真の奥が新幹線コンコースで、手前が新幹線改札機です。つまり在来線コンコース側から新幹線コンコース内を撮った写真です。在来線の改札機は、この写真でいうと右方向にあります。繰り返しになりますが、もう一度説明しますと、この写真の改札階は2階にあたり、新幹線ホームは3階です。新幹線を降りた乗客は全て一旦写真奥の広場に集結し、手前の改札機を通過します。そして進行方向左側、この写真で言えば右側の在来線の改札機から出場します。

熊谷駅在来線改札機
写真2:熊谷駅在来線改札機

 新幹線の改札機を出た後、写真2の在来線改札を出ます。秩父鉄道と熊谷駅南口は改札を出て左側、熊谷駅北口は右側にあります。ここから秩父鉄道熊谷駅までは以下のページに記載があります。

長瀞へのアクセス1:熊谷から秩父鉄道で長瀞へ

 

写真3:秩父鉄道熊谷駅

 秩父鉄道熊谷駅はJR熊谷駅の改札(写真2)を出て南口へ繋がる連絡通路の途中にあります。秩父鉄道は現在全駅が交通系ICカード対応です。交通系ICカードを持っていない場合は、写真3の右手前の券売機で購入できます。

 ここから先は既に埼玉旅行のエリア内です。長瀞エリアの入り口にあたる、ふかや花園駅までは22分、寄居駅までは30分、長瀞駅までは45分ほどです。秩父エリア秩父駅までは約60分、御花畑駅までは約70分、終点の三峰口駅までは約90分です。寄居駅では東武東上線、御花畑駅では西武秩父線に乗り換えることもできます。

 本数は多くないものの、秩父鉄道の急行列車を使えば更に時間は短縮できます。急行のスケジュールは平日と、土日祝日では全く変わります。平日は通勤・通学を意識した時間帯なのに対し、土日祝日は旅行客を意識した運行になります。特に土日祝日の熊谷8:50発「急行秩父路1号」と熊谷9:55発「急行秩父路3号」は利用価値が高いと思います。土日祝日限定とはなりますが、この2本の急行の発車時刻から逆算して、搭乗する新幹線を選べば最も短時間で長瀞エリア・秩父エリアの主要駅に到達できます。

KiPuRu

北陸・上越新幹線と急行秩父路を使ったプラン(土・日・祝)

 秩父鉄道の土日祝日ダイヤにおいて、急行秩父路1号と急行秩父路3号は長瀞旅行・秩父旅行の双方において、非常に便利な時間帯に走ります。平日の秩父鉄道ダイヤにおいてはこの限りではありません。

 熊谷駅に停車する新幹線で、土日祝日の急行秩父1号と3号の出発時刻に照らし合わせると、上越新幹線の「とき302号」「とき304号」と北陸新幹線の「あさま606号」「あさま608号」の計4本の列車が該当します。その次の「とき306号」は9:40熊谷駅に到着するため、急行秩父3号にはぎりぎり間に合いますが、余裕がなく慌ただしいため、ここでは除外します。また近距離のみの「たにがわ」も除外して考えます。

土日祝ダイヤの急行秩父路1号と急行秩父路3号に間に合う上越・北陸新幹線

 土日祝日の熊谷駅を8:50に出発する急行秩父路1号、または熊谷駅を9:55に出発する急行秩父路3号に乗り換えるために適当な新幹線を考えた場合、上越新幹線では「とき302号」「とき304号」、北陸新幹線では「あさま606号」「あさま608号」が該当します。もちろん更に余裕を持って行動したい場合は、それより早い新幹線に乗っても構いません。上記4本の新幹線の停車駅と発車時刻は以下の通りです。

上越新幹線 とき302号 とき304号 

時刻表と料金(平日・土日祝日共通)

出発駅とき302号とき304号自由席指定席グリーン車
新潟6:346:588.370円8,900円12,560円
燕三条6:467:117,600円8,130円11,790円
長岡6:577:217,270円7,800円11,460円
浦佐7:105,720円6,250円8,520円
越後湯沢7:224,950円5,480円7,750円
上毛高原
高崎7:498:031,650円3,170円3,940円
本庄早稲田7:588:121,300円2,820円3,590円
熊谷着8:098:22
表1:熊谷着 とき302号 304号 時刻表(2022)

北陸新幹線 あさま606号 あさま608号 

時刻表と料金(平日・土日祝日共通)

出発駅あさま606号あさま608号自由席指定席グリーン車
長野7:127:225,280円5,810円8,080円
上田7:247:344,950円5,480円7,750円
佐久平7:347:453,560円4,090円4,860円
軽井沢7:437:553,390円3,920円4,690円
安中榛名8:062,860円3,390円4,160円
高崎7:598:151,650円3,170円3,940円
熊谷着8:138:29
表2:熊谷着 あさま606号 608号 時刻表(2022)

 上記2つの表は平日・土日祝日共通です。子供料金については、JRも秩父鉄道も小学生は半額、それ未満は無料(大人一人に対し2名まで)という原則があります。しかしグリーン料金・グランクラス料金はその限りではありません。表1・.表2の料金は正確にいうと、運賃と料金に分けられます。さらに料金は特急料金とグリーン料金またはグランクラス料金にわけられます。子供料金については、このうち運賃と特急料金部分は半額になり、グリーン料金またはグランクラス料金部分は大人と同額ということです。グランクラスについては、今回の表には記載しませんでしたが、「とき302号」「とき304号」は設定がなく、「あさま606号」と「あさま608号」についてはアテンダント無しのグランクラスが設定されています。この辺は説明すると長くなりますので、省かせていただきます。簡単にいうとグリーン車よりさらに高級な座席ということです。

急行秩父路1号・3号 土日祝日の時刻表と料金

停車駅秩父路1号
 発車時刻
秩父路3号
発車時刻
料金
熊谷発8:509:55
武川9:0110:06390円
寄居9:1210:18590円
野上9:2410:29740円
長瀞9:2710:32780円
皆野9:3310:38820円
秩父9:4210:47880円
御花畑9:4410:49880円
影森9:4910:53900円
三峰口10:0211:06960円
表3:熊谷発 急行秩父路1号・3号時刻表と料金

 土日祝ダイヤにおいて急行秩父路1号と3号の間には9:00熊谷発と9:24熊谷発という普通列車もあります。更に後続にも列車はありますから、乗り遅れなどは気にする必要はありません。急行に乗ると若干乗車時間が短くなるというだけです。

 平日の場合、午前中の急行列車は7:07熊谷発だけしかありません。これにはどう足掻いても乗れませんから、普通列車に乗るのみです。

新幹線熊谷駅利用の条件

 新幹線で熊谷駅まで来て、そこから秩父鉄道に乗り換えるというのは埼玉旅行の最も簡単なルートで、理想的と言えます。しかし新幹線熊谷駅の利便性は誰しもが享受できるわけではありません。上越新幹線、北陸新幹線でも熊谷に停車しない列車が多すぎるのです。

 本来であれば、熊谷駅は大宮駅・池袋駅と並ぶ埼玉旅行の拠点としたいところですが、それらの理由から埼玉旅行の拠点と評価するには躊躇してしまいます。熊谷駅の利便性を最も享受できるのは北陸新幹線、上越新幹線を利用する群馬県、新潟県、長野県の人が中心となります。北陸新幹線、上越新幹線の列車全体でみると熊谷駅に停車するのは半分に満たないかもしれません。北陸新幹線の「かがやき」「はくたか」等や上越新幹線の一部の新幹線は熊谷駅に停車しません。

熊谷に停車しない新幹線、例えば金沢から「はくたか」に乗った場合、高崎駅で「あさま」に乗り換えるという手段も考えられますが、あまりおすすめはできません。

 なぜなら、高崎駅から熊谷を経由せず直接、寄居・長瀞方面に行ける在来線の八高線があるからです。新幹線の高崎から熊谷は約18分、熊谷から秩父鉄道の寄居までは19分かかります。在来線の八高線を使えば高崎駅から寄居まで乗り継ぎなしで同程度の時間で行けます。つまり高崎駅で新幹線を乗り換えるメリットがあまり無いのです。だからといって高崎線から八高線ルートを薦めているわけではありません。八高線は本数が非常に少なく、秩父鉄道も多いとはいえません。タイミングが悪いとかなりの時間ロスを生じます。何より埼玉県に入る前に乗り換えが必要というのは、スムーズでシンプルな旅行とは言えないでしょう。

「はくたか」「かがやき」など熊谷駅に停車しない新幹線で埼玉旅行をする場合は、むしろ大宮駅まで行くことをおすすめします。ただし、大宮駅で降りた場合は旅行プランが全く別のものになります。大宮駅からの埼玉旅行も、熊谷駅-寄居ー長瀞ー秩父という埼玉旅行のメインコースに引けを取らない旅程にすることは可能です。新幹線大宮駅からの埼玉旅行については次のページで説明しますので今回は触れません。大宮駅は更に東北新幹線をも束ねる一大ターミナル駅です。

 実はこの東北線の分岐点については明治時代の初期に、熊谷駅を分岐点にする案もあったそうです。それ以前に起こる群馬県・熊谷県・埼玉県の県境を決める論戦の延長で、鉄道分岐点についても大論争になりました。もし仮に大宮ではなく熊谷が東北線の分岐となっていれば、全く違った歴史をたどっていたかもしれません。長瀞などは大規模な観光地として開発されていた可能性が高いと思います。そのような想像をすると、分岐点は大宮に譲って正解だったのではないかと個人的には思っています。