SLパレオエクスプレスを往復で利用した場合の日帰り長瀞旅行
前回は終点の三峰口駅まで行かず、途中の御花畑駅または秩父駅で下車して、再度戻ってくるSLパレオエクスプレスに乗るという場合を考えました。
今回は熊谷からSLパレオエクスプレスに乗車し、長瀞駅で下車して観光。午後に戻ってくるSLパレオエクスプレスで熊谷まで戻るという長瀞旅行プランを考えてみます。前回同様SLパレオエクスプレスの長瀞駅の時刻表から見てみましょう。
SLパレオエクスプレスの日帰り長瀞旅行:長瀞駅時刻表
SLパレオエクスプレスの長瀞駅での時刻表は下の表のようになります。
SLパレオエクスプレス長瀞旅行 (長瀞駅)時刻表 | 土日祝日 | 平日 |
往路の長瀞駅到着時刻 | 11:26 | 11:25 |
復路の長瀞駅出発時刻 | 15:13 | 15:10 |
往路と復路の時間間隔 (観光可能時間) | 3時間47分 | 3時間45分 |
10:10分頃熊谷駅、10:50頃寄居駅を出たSLパレオエクスプレスは11:25頃に長瀞に到着します。熊谷駅から乗った場合、乗車時間は約1時間10分、寄居駅から乗った場合30分程です。これを物足りなく感じる人もいるかもしれませんが、復路も乗ることを考えるとむしろ十分にSLの旅を楽しめると思います。SLパレオエクスプレスへの乗車時間が減った分、長瀞観光に充てることができます。長瀞での猶予時間は平日で3時間45分、土日祝日で3時間47分あります。終点の三峰口で下車した場合1時間10分しかない猶予時間が、3倍にまで増えます。
その上、長瀞旅行の特徴は、長瀞駅周辺に旅行スポットがコンパクトにまとまっていることです。これだけの猶予時間があればかんり満足が行く長瀞の日帰り旅行ができます。
SLパレオエクスプレスを使った長瀞の旅行プラン
SLパレオエクスプレス+長瀞 旅行プラン1
SLパレオエクスプレス下車(11:26)―11:30長瀞駅前―(徒歩15分)―11:45宝登山神社(滞在20分)12:05―(徒歩10分)―12:15宝登山山麓駅―12:30ロープウェイ乗車―12:40宝登山山頂駅―宝登山散策(30分)―13:10宝登山山頂駅―13:30ロープウェイ乗車―13:40宝登山山麓駅―(徒歩20分)―14:00長瀞駅-長瀞岩畳商店街(昼食50分)―14:50長瀞駅―15:10SLパレオエクスプレス乗車
旅行プラン1は宝登山神社と宝登山山頂を巡るプランです。今回のプランの中では最も歩行時間が多くなります。歩行速度は人によって違うと思いますので、多少余裕を持って見積もりました。上記では宝登山神社、ロープウェイの順ですが、逆でも構いません。ロープウェイは実際の乗車時間は片道5分です。ただ、平日は30分に一本程度ですので、乗り遅れると30分待たなければなりません。土日は15分間隔ですが、その分旅行者も多く、混雑で待つこともあります。SLパレオエクスプレスの運行は、そのほとんどが土日祝日です。繁忙期や土日祝日の多くは、長瀞駅から宝登山ロープウェイ山麓駅まで無料シャトルバスがあります。シャトルバスは15分から30分間隔で往来しますが、きっちりと時刻が決まっているわけではありません。タイミングが合えばシャトルバスが便利です。ただ、長瀞駅から宝登山神社までの参道は観光スポットも多く、もちろん今回はそれらを巡る余裕まではありませんが、徒歩で街並みを眺めながら行くのも楽しいですし、シャトルバスを待つよりも、徒歩の方が早い場合も往々にしてあります。
宝登山神社は長瀞・秩父全域の中でも古来から最も有名な神社の一つで、秩父神社・三峯神社とともに秩父三社(ちちぶさんじゃ)と呼ばれています。ロープウェイ山頂は花の名所であり、冬から春にかけては、ロウバイ、梅、ツツジ、シャクナゲの順に花が咲きます。宝登山神社、宝登山ロープウェイそれぞれ、別のページを設けて詳しく説明します。
この旅行プラン1では長瀞岩畳を入れていませんが、状況によっては見学することは十分に可能です。ロープウェイ山麓駅から長瀞駅経由し、駅の反対側の長瀞岩畳商店街で昼食となっていますが、長瀞駅から長瀞岩畳は長瀞岩畳商店街を経て7分程です。SLパレオエクスプレスの社内では駅弁販売もありますので昼食は駅弁という選択肢もあります。そうすれば昼食時間を全て長瀞岩畳の観光に充てられます。上記のコースには多少時間の余裕をとっている部分もありますので、スムーズにいけば逆に時間が余る場合も考えられます。その場合は、昼食と長瀞岩畳見学を両立することもできます。
名称:宝登山神社 ほどさんじんじゃ (正式名称:寳登山神社)
住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1828
奥宮 宝登山ロープウェイ山頂駅から徒歩5分
名称:宝登山ロープウェイ ほどさんろーぷうぇい
住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1766-1
料金:大人片道490円(往復830円) 小人(6歳から11歳)片道250円(往復420円) 手回り品(ペット10kg未満)片道260円(往復520円)※ペット用ケース無料貸出有
全長:831m
標高差:236m
SLパレオエクスプレス+長瀞 旅行プラン2
SLパレオエクスプレス下車(11:26)―11:30長瀞駅前―(徒歩1分)―11:35荒川ライン下り受付(受付・待機・乗車 30分見積)―12:05無料送迎バス乗車―12:15ウォーターパーク長瀞(ライン下りスタート地点)―12:25乗船(チャレンジコース35分見積)―13:00長瀞岩畳(下船)―長瀞岩畳・長瀞岩畳商店街散策(昼食含む1時間50分)―14:50長瀞駅―15:10SLパレオエクスプレス乗車
旅行プラン2では、長瀞駅での日帰り往復SLパレオエクスプレスの猶予時間を使ったライン下りを体験することをメインにしました。ひとくちにライン下り(舟下り)といっても選択肢はいくつかあります。まず主催する会社は3社あり、コースも大きく分けて3コースあります。今回は3社のうち「荒川ライン下り」を利用し、変化に富む景観が人気の上流部コース(荒川ライン下りではチャレンジコースと呼ばれています)を選びました。
3社のうち、長瀞駅から最も受付が遠い、長瀞舟下りであっても徒歩3分程ですので、そこは気にする必要はないでしょう。スタート地点までのバス送迎も各社同様です。ライン下りの乗船時間は荒川の流れに速さや各社のコースの長さによって20分から35分と若干の違いがあるものの、それほど影響はありません。今回は荒川ライン下りのチャレンジコースを選びましたが、秩父鉄道が主催する「長瀞ラインくだり」や荒川レジャー開発「長瀞舟下り」を選んでも全く問題はありません。
全体の行程を大きく左右するのが、受付での待ち時間です。こればかりは混雑状況によって大きく変わってきます。スムーズに行った場合、ライン下りが終了した後、逆に時間があまることになります。「荒川ライン下り」と「長瀞舟下り」の2社は上流コースと下流コースを一気に走破する全区間のコースも用意されています。混雑していない場合は全区間コースを選んでも大丈夫です。全区間コースの場合、送迎バスの時間と乗船時間が2倍になりますので、45分程多く時間を見積もっておく必要があります。すこし慌ただしくなりますので、やはりおすすめは下船後そのまま長瀞岩畳観光へと流れることができる上流コース(チャレンジコース)です。
ライン下りについては以下のページも参考にしてください。
長瀞のライン下り名称:荒川ライン下り
住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞531-1
料金:(チャレンジコース)大人1800円 小人900円(3歳から小学生)
営業時間:9:00~16:00
SLパレオエクスプレス+長瀞 旅行プラン3
SLパレオエクスプレス下車(11:26)―11:30長瀞駅前―(徒歩5分)―11:40阿佐美冷蔵宝登山道店またはギャラリー喫茶やました(40分)―(徒歩5分)―12:30長瀞蔵・旧新井家住宅・長瀞郷土資料館・花の里(50分)―(徒歩5分)―13:30有隣倶楽部またはガーデンハウス有隣(昼食1時間)―(徒歩15分)―14:50長瀞駅―15:10SLパレオエクスプレス乗車
プラン3はロープウェイやライン下りのような時間に縛られるものが全くないコースですので、自分のペースで自由にまわれます。簡単に紹介しますと、長瀞駅を出て、まず宝登山方面に向かい宝登山参道に入ります。阿佐美冷蔵というのは長瀞かき氷ブームの本家本元の製氷会社です。阿佐美冷蔵の直営店は2つしかなく、上長瀞駅付近の本店の他は、ここ宝登山参道店にしかありません。長瀞蔵・長瀞郷土資料館・旧新井家住宅・花の里は全て隣接しているため、まとめて見学できます。有隣倶楽部・ガーデンハウス有隣は同一敷地内にある飲食店で、どちらも秩父鉄道が経営しています。
このコースでの注意点は2点あります。一つ目は、阿佐美冷蔵は単なる飲食店の枠を超えて、ここのかき氷目当てで長瀞に行くという人さえ多い、超人気店です。本店はもちろん、宝登山道店も夏場の土日ともなると大行列が常態ですが、季節を外せばすんなり入れる場合もあります。宝登山参道の入り口付近にありますので、通りがかり混雑がひどいようでしたら、スルーしてその先の高台にあるギャラリー喫茶やましたに入ることをお勧めします。ギャラリー喫茶やましたでも阿佐美冷蔵の氷を使ったかき氷を食べることができます。違いは阿佐美冷蔵直営店の場合は、天然水をそのまま自然凍結させた天然氷を使っていることです。特殊な製法で作った天然氷は大量生産することができません。他店に卸す氷は、天然水を製氷機で凍らせたものがほとんどです。工場生産の氷も天然水を使っていることには変わりありませんので非常に水準の高いものです。阿佐美冷蔵のかき氷は何時間ならんでも食べる価値のあるのですが、今回は時間に限りがあります。ギャラリー喫茶やましたはロケーション、メニュー、食器、内装など細部にまでこだわった落ち着きのある空間です。秩父源流名水を凍らせた阿佐美冷蔵の氷を使ったかき氷の他、わらびもち、焼きプリンなど定評があります。
もう一つの注意点は、昼食の有隣倶楽部です。有隣倶楽部は秩父鉄道の経営する日本建築と庭園のある日本料理店です。料金もそれほど高くなく、高水準の料理と雰囲気を楽しめる場所です。しかし2019年より完全予約制になり、前日の12時までに電話予約が必要になりました。電話して予約する日時を名前などを伝えるだけなので、予約は簡単ですが、それが煩わしい場合は有隣倶楽部の隣に、ガーデンハウス有隣という和食レストランがあります。こちらは庶民的な雰囲気で、予約無しで入ることができます。長瀞名物ともいえるわらじかつ丼、おっきりこみうどん、炙り豚みそ重などリーズナブルな価格で食べることができます。
名称:阿佐美冷蔵宝登山道店 あさみれいぞうほどさんどうてん
住所:埼玉県秩父郡長瀞町大字長瀞781-4
定休日:火曜日(冬季休業有)
営業時間:10:00~16:30
名称:ギャラリー喫茶やました
住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞727-1
定休日:不定
営業時間:10:00~18:00
名称:長瀞蔵・藤﨑摠兵衛商店(ながとろぐら・ふじさきそうべえしょうてん)
住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1158
入館料:無料
定休日:火曜日・水曜日
営業時間:10:00~17:00
日本酒などの展示販売や工場見学ができます。
名称:長瀞郷土資料館・旧新井家住宅
住所:埼玉県秩父郡長瀞町大字長瀞1164番地
定休日:月曜日・12/29-1/3
開館時間:9:00~17:00(10月から3月は16:00まで)
入館料:大人200円・小人100円(小中学生)
長瀞郷土資料館は長瀞の郷土の歴史と地質学の両面から研究の成果を展示する、小さいながらも重要な博物館です。隣接する旧新井家住宅は江戸時代に建てられた板葺き屋根の住宅で、国指定重要文化財で、郷土資料館とともに見学できます。
名称:花の里 長瀞ハナビシソウ園
入場料:大人200円 高校生以下無料
開園時間:9:00~16:00
ハナビシソウ開花期:5月から6月
アナベル開花期:6月
ハナビシソウとはオレンジ色の花を咲かすポピーの一種で12000平方メートル程の土地一面に花を咲かせます。その他アナベルという白いアジサイも人気です。
名称:有隣倶楽部(ゆうりんくらぶ)
住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞704
営業時間:11:00~15:00
定休日:不定
席数:170席
前日12時までに要電話予約。0494-66-0070(9:00~17:00)
名称:ガーデンハウス有隣(ガーデンハウスゆうりん)
住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞704
営業時間:11:00~15:00
定休日:不定
席数:112席