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西日本から関東への旅行計画

西日本からの関東地方への旅行

西日本から日本の国内旅行を計画するとき、真っ先に挙げられるのは東京旅行です。

東京の羽田空港は日本で最も国内線の多い空港です。日本国内に100か所近くの空港がありますが、その半数以上の空港と羽田空港は国内路線を繋いでいます。特に西日本各県の主要空港はほぼ全て羽田空港への直行路線を持っています。

その他、東海道山陽新幹線、特急列車、長距離バスなど東京への移動手段はたくさんあります。また西日本からのパッケージツアーも東京を目的地とするものが大半です。

しかし、ここでおすすめしたいのは東京旅行では無く、関東六県つまり、埼玉県、千葉県、神奈川県、群馬県、栃木県、茨城県も含めた旅行計画です。これらの6県を含めると広大で、観光地も膨大にあります。到底一回の旅行で回れるものではありません。

特に路線数の少ない空港の近くに住む人にとって羽田空港便は旅行計画の切り札と言えます。羽田空港を使っての旅行を東京に限定すると、その切り札を一生のうちに1、2度使って終わりになるかもしれません。つまり、もう東京へ2回も旅行したから、飛行機での国内旅行は十分と思ってしまうかもしれません。

視野を関東地方全体に広げると、旅行のバリエーションはその何倍、何十倍と広がります。典型的な東京旅行は2泊3日あるいは3泊4日ですが、その同じ日数で何百パターンという関東旅行を計画することができます。

東京から離れた関東旅行で混雑回避

観光地の良し悪しは、必ずしも集客能力や混雑具合と比例しているわけではありません。

東京は西日本からアクセスしやすいのはもちろんですが、関東地方などの近隣県や東北、甲信越、北海道、さらには成田空港を利用し、海外からのインバウンド旅行者も殺到します。また東京近郊は日本でもっとも人口密度が高い地域ですから、地元での訪問者も少なくありません。

また都心の平日の通勤ラッシュはいうまでもありませんが、旅行に適した時間帯、9時から17時のあいだであっても、東京の主要駅はショッピング客、ビジネスマンの移動、乗り継ぎや、学生などで人があふれています。

このような混雑、人の多さから東京旅行を避けている方も多いと思います。関東地方全体を見わたすと、このような混雑や人の多さは、東京周辺のわずかな部分であることがわかります。東京23区の面積は、関東地方全体のわずか1.6パーセントに過ぎません。この1.6パーセントの人が密集した地域に、本来、旅行者まで集中する必要はまったくありません。

旅行日程を混雑の思い出ばかりにならないようにするには、東京での観光は、自分の絶対に見逃せない観光地のみを選択し、そこから他の関東地方の観光地にな移動するような旅行計画を作った方が良いでしょう。

東京から関東地方の観光地への移動

東京を含む関東地方は間違いなく日本最大の鉄道網です。関東平野は日本で最大の平野であり、鉄道網を広げるには絶好の地形です。そのため明治時代より積極的に鉄道が開発されてきました。当初は産業用途が主な目的でしたが、まもなく旅行にも広く活用されるようになりました。

東京から関東各地への旅行という観点でみると、池袋を起点とした西武鉄道、新宿を起点とした小田急電鉄、浅草を起点とした東武鉄道などの大手私鉄各社、そして新幹線を含むJR東日本がメイン路線となります。そして秩父鉄道、箱根登山鉄道、小湊鉄道、上信電鉄といったローカル線も旅行において非常に重要です。

ここでは簡単に代表的な観光地と鉄道の組み合わせを紹介します。

小田急ロマンスカーで新宿から箱根へ

箱根は関東を代表する温泉地であり、代表的な観光地ともいえます。西日本から新幹線で行く場合、神奈川県の小田原駅で箱根登山鉄道に乗り換え15分程で箱根湯本へ着きますから、東京を経由する必要はまったくありませんが、飛行機で羽田空港へ行った場合でも、小田急のロマンスカーを利用すれば、新宿駅から1時間半で乗り換え無しで箱根湯本へ到着します。ロマンスカー以外でも東京から箱根に行く方法はいくつもありますが、利便性、快適性、時間を考慮すると、ロマンスカーが最善といえます。昭和の時代から箱根とロマンスカーはワンセットのようなもので、新宿始発のロマンスカーに乗車することが、箱根旅行のステータスのようにみなされてきました。箱根湯本自体が箱根を代表する温泉街ですが、そこから登山鉄道やケーブルカー、ロープウェーなどを乗り継ぎ箱根強羅温泉、大涌谷、芦ノ湖などを繋ぎ、様々な旅程を組むことができます。

東武鉄道スペーシアXで浅草から日光へ

東京を代表する観光地「浅草」と栃木県を代表する観光地「日光」はいずれも寺社を中心とした観光地ですが、全く異なる趣を持っています。羽田空港から浅草へは京急が直通していますから、観光と交通の利便性を兼ね備えた、非常に合理的な旅行ルートと言えます。浅草は数時間で十分観光できますが、日光は広大なエリアですので、浅草で数時間滞在した後、残りは全て日光で過ごしても、見どころに不足することはありません。

東武鉄道の浅草駅から東武日光駅までは、片道1650円でリバティ華厳という特急列車がありますが、それ以外に1時間に1本程度スペーシアXという特急もあります。スペーシアXは2023年にデビューした新型車両で、スタンダードシートでも1950円とリバティより若干高く、さらにプレミアムシート、ボックスシートなど6種の値段のことなる座席があります。乗車時間はリバティでもスペーシアXでも1時間50分程度ですが、全席コンセント付きといった機能性やインテリア、居住性を考慮すれば、スペーシアXの方をおすすめします。

西武鉄道ラビューで池袋から秩父へ

池袋は東京北部の繁華街で、東京から埼玉県へ向かう交通の要衝です。西日本の方はあまりイメージがわかないかもしれませんが、埼玉県の西部から東京都の西部は1000m級から2000m級の奥秩父山塊を含む、山岳地帯です。その山岳地帯の中に関東平野から隔絶された、秩父盆地があり、秩父・長瀞といった埼玉県を代表する観光地は、その秩父盆地にあります。秩父盆地へは、新幹線熊谷駅から、秩父鉄道へ乗り換え行くこともできますが、池袋から西武鉄道の「特急ちちぶ」を利用するのが、最短最速です。特急ちちぶは池袋駅から西武秩父駅を1時間20分程度でむすび、全ての列車が2019年デビューした新型車両ラビューが使われています。西武秩父駅は秩父鉄道への乗り継ぎ駅で、秩父鉄道は長瀞エリアへと続いていきます。また西武秩父駅前からは三峯神社やミューズパークといった秩父の観光地へのバスの出発点でもあります。

その他の注目の列車+観光地

2020年にJR東日本も、新型車両「サフィール踊り子」の運行を開始しました。サフィール踊り子は2025年の現時点ではまだ本数は少なく、平日は東京駅-伊豆急下田駅の間を1~2往復、日曜日は新宿発の列車が追加されます。熱海以降の停車駅は静岡県になるため、正確には関東旅行とはいえませんが、サフィール踊り子の東京ー熱海間が片道約1時間20分ですから、旅行計画に組み込むことは十分に可能です。もっとも熱海は新幹線停車駅ですから、新幹線で行く場合、関東に足を踏み入れる必要さえまったくなく、東京からであっても新幹線の方が早いため、列車を単なる移動手段と考えた場合、あまり使い道はないでしょう。しかし、逆にいうとサフィール踊り子の乗客はビジネス利用者は皆無で、ほぼ全て観光旅行目的の列車であるといえます。東海道新幹線はスピードや乗り心地は申し分ありませんが、ビジネス利用者の割合が多いため、いまいち旅行の雰囲気に没頭できないという欠点があります。サフィール踊り子や、上記に挙げた列車に共通していえるのが、車内の空気感がすでに旅行の雰囲気を作っているという点です。意外とこれが、スピードや料金、設備などを上回る価値のように思えます。

大阪から関東旅行

西日本の中でも大阪は最も関東旅行がしやすく、交通手段に恵まれているエリアです。

新幹線「のぞみ」を利用すれば新大阪駅から東京駅まで約2時間半で到着します。また大阪を囲むように伊丹空港、関西空港、神戸空港の3つの空港があり、それぞれ毎日、羽田空港へ多数の便が就航しています。また伊丹、関西の両空港からは数が少ないながらも成田空港への便があることも関東旅行の幅を広げます。

その他長距離バスも多数あり、東京だけではなく、東京以外の関東の都市まで直行できる場合もありますので、旅程、予算、自身のスケジュールなどに合わせ、自由自在に関東旅行を計画することができます。

大阪に比較的近い県の場合、自県の空港から羽田空港に行く以外に、まず大阪を在来線などで目指し、大阪から関東へ向かうという手段も選べます。

西日本から飛行機で関東旅行

西日本は、大阪から近い京都府や奈良県を除き、全ての県に空港があり、羽田空港への直行便が就航しています。西日本から関東旅行を計画する場合、まず検討すべきは、自県の空港から羽田空港への航空便の利用です。これを選べば、あとは羽田空港と旅行の目的地を繋ぐルートと宿泊地を考えるだけです。

金額面では、基本的に距離と比例して高くなります。しかし、旅行で使われることが多い変更不可の格安チケットを見ると必ずしも距離と金額が比例しているわけではありません。

単独の航空会社のみが運行する空港の場合、割引運賃自体ないことが多く、逆に複数の航空会社が就航していたり、新幹線と競合するような空港は航空券も安くなる傾向があります。

西日本の空港近くに住んでいる人にとって、東京はもっとも行きやすい旅行先です。

そのためか、3連休や4連休が取れた場合、東京にホテルを取り東京観光を楽しむ方が多く見られます。

航空券とホテルを別々に予約することも可能ですが、その前に旅行会社のホテルと航空券のセットを確認してみることをお勧めします。東京を筆頭に関東各県には無数にホテルや旅館があり、その中から旅行に適したものを選ぶのは容易ではありません。大手旅行会社のホテル+航空券またはダイナミックパッケージで表示されるホテルや旅館であれば、まず間違いはないでしょう。

飛行機に乗りなれていない場合は、飛行機特有の注意点もありますので、確認しておきましょう。

まず注意すべきは出発時刻より、早めに空港についている必要があるということです。荷物の預け入れや保安検査場、出発ゲートまでの移動など、それぞれ時間がかかりますので、慣れていない場合、1時間前を目途に、空港までの移動トラブル等を考慮すると更に早く空港に着くことを目標に家を出るようにすべきです。

次に荷物に関する点では、預け入れる荷物と機内に持ち込む荷物にわける必要があり、それぞれに細かいルールがあります。特にパソコンやモバイルバッテリーに関しては注意が必要です。

羽田空港からの電車は東京モノレール、京浜急行電鉄の2通りあります。東京モノレールは浜松町まで一直線で、浜松町でJRに乗り換えます。京浜急行電鉄も品川まで行くことができ、浜松町と品川はJR山手線で3つ離れた近距離の駅ですので、それほど大差はありません。京浜急行電鉄は京急蒲田駅で横浜方面へ乗り換えることが可能です。神奈川方面の旅行の際は便利な反面、ごく稀に間違って乗り換える旅行者もいますので注意してください。

その他、羽田空港からの多方面の直行バスやタクシー、乗り合いタクシー、レンタカーなどの手段も使えます。

しかし、見方を変えるとこれは非常にもったいない連休の使い方です。例えば浅草など東京中心部の観光地は、中国、四国、九州の空港に近くに住む人にとっては1泊2日圏内、下手すると日帰りでも行けてしまう観光地です。通常の土日で行けてしまう場所に、わざわざ混雑する時期を選び、東京観光に連休を消費することは疑問を禁じえません。

羽田空港を東京観光のための空港という先入観を捨て、視野を広げると、非常にバリエーションに富んだ、数多くの旅行コースが見えてきます。

西日本から新幹線で関東旅行

2025年現在、北陸新幹線は福井県の敦賀まで伸びていますので、京都北部など敦賀に近い地方からは北陸新幹線で行くことも可能ですが、それ以外は山陽新幹線、東海道新幹線のルートをたどることになります。

新幹線は飛行機に比べると、ルールの煩雑さや乗るまでの面倒さはありません。山陽新幹線と東海道新幹線は、旅行する際には一つの路線と考えてよく、新大阪から博多が山陽新幹線、新大阪から東京が東海道新幹線と呼ばれ、東京まで直行列車の場合、新大阪で乗り換えの必要はありません。しかし九州新幹線や西九州新幹線は博多駅で山陽新幹線に乗り換えが必要です。

博多から東京は最速の「のぞみ」でも5時間程度かかります。乗車中にスマホやパソコンを使う場合、5時間も使い続けるとバッテリーが心配になりますので、モバイルバッテリーはあった方が良いでしょう。新幹線の車種がN700S系であれば全席コンセントがついていますが、この東海道・山陽新幹線で、この車両はまだ少なく、大半をしめるN700系は、グリーン車や窓側座席のみにコンセントがあります。

山陽ー東海道新幹線で関東旅行する場合、基本的に終点の東京駅まで乗車し、東京駅から関東各地へ移動することになりますが、目的地によっては東京駅の手前の品川駅や新横浜駅で下車した方が便利な場合もあります。

東京まで新幹線で来た場合、東京駅で乗り換え、さらに新幹線で北上することができます。東京ー上野、埼玉県の大宮ー熊谷ー本庄早稲田、さらに群馬県の高崎と北上していきます。埼玉県の大宮では東北新幹線、群馬県の高崎駅では北陸新幹線、上越新幹線へ分岐します。

レンタカーでの関東旅行

東京中心部から離れるほど車移動はスムーズに

今のレンタカーほどんどカーナビがついていますので、目的地を入力すれば、問題なくそこまで導いてもらえます。上記に挙げた東京での車移動の不便さは、カーナビを使ってさえ、うまく行かない場合があるということです。

例えば首都高の場合、出口とジャンクションが左右交互に次々とでてきて、車線数も多いところもあるので、判断を誤ると、降りるつもりのないところで下道に降りてしまうことがあります。そこから高速に乗りなおそうと思っても、一方通行などが多く一苦労で、カーナビを再設定しても、かなり遠回りしてようやく首都高に乗りなおせるということが多々ありました。時間のロスもかなりのものです。

首都高を出て、例えば関越自動車道に入ると、そうしたことはあまり無くなります。都心から離れれば離れるほど、一般道路での運転上のストレスも減っていきます。

羽田空港からレンタカーでの旅行をするなら東京旅行はあまりお勧めしません。

このような理由から、東京での車移動はどうしても無駄な時間がかかってしまいます。電車や地下鉄を使って移動したほうが良い観光地がほとんどです。荷物が多かったり、子供連れの場合など、羽田空港でレンタカーを借りるのが最適な場合ももちろんあります。そして旅行会社のセットプランでレンタカー付のものもあり、それは利用価値があります。しかし、その場合は逆に東京都心部の観光地を外すことをおすすめします。上記に挙げた首都高の複雑さ、渋滞の多さに加え、観光地付近の道の細さ、駐車場の見つけにくさと料金の高さなど問題だらけです。羽田空港からレンタカー利用の場合、たとえ長距離ドライブになるとしても、むしろ一気に都心を離れ、郊外の観光地のみを選び、計画することがストレスない旅行につながると思います。

 

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