予約をしないでも旅行は可能です。電車は基本的に予約は不要ですし、多くの旅行スポットは予約しなくても、当日そのまま入場できます。マイカー日帰り旅行などの場合、まったく何も予約せず、行きたいところに行き帰ってくるという人も多いと思います。このような旅も立派な旅行の一つです。
飛行機やホテルは一般的に事前に予約するのが一般的ですが、当日そのまま空港やホテルに行き、その場で代金を払って利用することもできないことはありません。では予約しなくても良い場合は予約しないほうが良いのかという話になると、話は簡単ではなくなります。予約することによって、料金が安くなる場合もありますし、予約して変更やキャンセルをした場合、手数料や違約金が発生する場合も考えられます。予約をしなかった場合、満室や満席で利用できなくなることもあるでしょう。
ひとくちに旅行の予約といっても、いろいろな種類の予約があり、混雑状況、料金、旅行者の都合などさまざまな要因が関係してきます。また予約方法も電話予約、ファックス予約、WEB予約、旅行会社の窓口での予約など多種多様です。旅行にまつわる予約全般について、一度整理して考えてみる価値がありそうです。
旅行において予約が望ましいケース
旅行のおいて主に予約すべきケースというのは、遠方で宿泊がともなう旅行の場合です。もし近場の日帰り旅行などの場合、予約せず観光施設に行って入れなかったとしても、そのまま帰ればよいだけです。そのような場合でも、期待していた観光施設に入れなければ残念に思うでしょうし、予約すれば良かったと後悔するかもしれません。往復の交通費も無駄になります。
遠方への宿泊旅行の場合、それだけでは済まない可能性が出てきます。例えば仮に、予約を一切せず、大阪から北海道へ3泊4日の旅行をするとします。往路は航空券を空港で直接買うことができ、北海道に到着したとしても、現地でホテルに泊まれない可能性も考えられます。例えばコンサートや国際会議などでエリア全体のホテルが満室になるといことは決してめずらしいことではありません。そうなると当初計画していたホテルだけではなく、北海道の違うエリアに移動し、ホテルを探すということになります。慣れない土地で、予定外のホテル探しは大変です。違うエリアで何とかホテルに泊まれたとしても、今度はそこから希望していた観光施設やアクティビティなどへの移動が大変になります。これでは旅行自体が台無しといって良いでしょう。そのようなアクシデントも旅の楽しみと割り切れれば良いですが、本当に行きたかった場所に行けなかった場合、再訪するには、時間もお金も必要いなります。近所の観光地に行けなかった場合とは、そこが大きく異なる点です。さらに最悪なのは、帰りの飛行機が満席で乗れなかった場合です。会社の休みを利用しての旅行などの場合、そのようなことはあってはならないことです。
ほとんどの人はこれらのような事態にならないように、遠くへの旅行の場合、最低限、航空券やホテルだけでも事前に予約しておくのが常識になっています。
予約によって旅行に集中できる
もし予約をとっていないまま旅行に行った場合、常に予約のことが気になるものです。予約は、前節のような旅行が台無しになる大トラブルを防ぐというだけではありません。たとえ無事に全て旅程をこなせたとしても、予約を取っている場合と取っていない場合では、心理的な面で違いがあります。
旅行中はちょっとした発見の連続です。五感を研ぎ澄ますと、思わぬ感動に出会える場合があります。移動中でもガイドブックにものっていない面白そうな建物を見つけたり、鳥や小動物の姿を見かけたり、写真に収めたくなるきれいなスポットに意図せず出会えることがあります。それは旅行に集中し楽しんでいるからこそのことでしょう。予約をしていないと、ついついそのことばかりを考えてしまいがちです。どうしても旅行に集中できず、悲観的な人は最悪のことまで考えてしまうこともあります。そうなってくると旅行を楽しむことはできません。
予約の効用は、実利的なものばかりではありません。旅行中の安心感、心のやすらぎといった心理的な面に影響を及ばします。それは旅行ちゅだけではなく、旅行前も同様です。とれる予約は早めにとっておくことにより、旅行前の日々も安心して過ごせ、旅行の計画や準備に集中できます。
電話予約とWEB予約
旅行の予約でかつて主流だったのは電話予約です。しかし、電話予約は非常に間違いや誤解が多いのが難点です。日時や内容の勘違いや、聞き違い、言い間違いなどトラブルの温床です。
そのため旅行業法では、チケットの単品予約などを除き、書面の交付を義務付けるなど、対策が取られてますが、なかなか電話予約のトラブルは無くなりそうにありません。
WEB予約は入力ミスや選択ミスといった間違いはもちろんありますが、旅行者が入力後自分の目で確認できるため、その場で訂正できる手段と言えます。また入力確認画面や予約完了メールなどで2重、3重の確認ができるため、すぐ訂正することによって事前にトラブルを防止できる場合があります。
旅行における予約のメリット
交通機関や宿泊施設、旅行スポットなどにおいて、予約が必要と書いてあると、面倒くさいと思う人も多いと思いますが、 本来予約は旅行者にとって有益な行為です。予約があるということは、旅行における安心感だけではありません。予約をしないでも大丈夫だろうとたかをくくり、実際の旅行先で困難な目に合うケースも多くあります。旅行者にとって予約とは、サービスを受ける権利が事前に確定できるという意味です。どれだけ混雑していようと、予約さえしておけば飛行機にも乗れますし、ホテルにも泊まれ、人気スポットにも入場できます。予約をしなかった場合、どれか一つでも購入できないと、旅行計画が破綻してしまいます。
繁忙期でなくても、旅行先の都市で国際会議が行なわれていたり、コンサートなどが開かれていた場合、まったくホテルや航空券が取れなくなる場合もあります。ホテル、航空券の両方が埋まっていた場合、目的地を変えるということもできなくはありませんが、現地に到着したあとホテルが取れないということになれば目も当てられません。
このような事態を防ぐことが予約の本来のメリットです。
予約はホテル、航空会社、旅行スポットを運営する会社にとってもメリットで、早めに利益を確定でき、早い段階で準備できるという利点もあります。そのため早めに予約をした場合、料金を割り引くということもよく見られます。
航空券の場合早めの予約ー購入した場合のメリットが特に大きく、普通運賃の半額以下になることは良くあります。ただし、変更できなかったり、取消手数料がかかるなどそれなりのデメリットもあります。その辺は別の記事で詳しく書きたいと思います。ホテルの場合、早い段階で予約をキャンセルしたとしても違約金などは発生しないため、航空券ほどの割引はありませんが、WEBなどで予約し、事前にカード決済をすることによって割り引く場合があります。テーマパークの場合、当日券と前売り券の価格差がこれにあたります。
次に手続き面のメリットです。確かに予約するという行為自体は手間がかかりデメリットのように感じるかもしれません。しかし、この手間の多くは旅行時の手間を先取りしているだけということもできます。例えば現地で直接ホテルに泊まろうとした場合、仮にかなりの空室があったとしても、その場で部屋を選ぶ手間があります。カウンターで部屋の種類、禁煙喫煙の選択やプランなど次々と質問されそれなりに時間がかかります。旅行スポットのチケットやアクティビティーなどにおいても、選んだり説明を受けたりでそれなりに時間がかかります。事前にWEBで予約し、全て選んでいた場合、そのような受付での手間が省くことができます。個々の時間はたいしたことがないかもしれませんが、旅行日程中の貴重な時間は少しでも減らすに越したことはありません。できるだけ旅行前に手続きを済ませておくことによって、実際の旅行をスムーズに、ストレスなく快適に過ごすことにつながると考えることができます。
予約の手間を減らす方法
最も基本的な予約の方法は、それぞれの航空会社、交通機関、宿泊施設、旅行関連施設で予約を取ることです。単純な旅行、例えば一泊二日で、飛行機で移動しホテルに泊まってその周辺を散策するだけであれば、航空券とホテルを予約するだけですからそれほど手間がかかりません。しかし旅程が複雑になった場合、かなりの数を予約をする必要がでてきます。
電話予約であれば、数が多くてもそれほど手間にはかからないように思えるかもしれません。しかし冒頭でも書きましたが、それ自体間違いやすい予約方法です、あちこちで予約するとなると、どこかでミスが出るものです。またホテルの電話予約などでは様々なことを聞かれ、一軒予約するだけでも意外と時間がかかるものです。一回の電話で済まないような場合、何度も電話でやりとしする必要があり、複数のホテルとそのようなやりとりをすると、混乱することも多いでしょう。また時間帯によっては電話がつながりずらいときもあります。このように複数の旅行関連施設との電話でのやりとりはデメリットが多くお勧めできません。
WEB予約であれば、それほど間違いは多くないと思いますが、数多くのサイトで個別に予約するのはそれなりの手間がかかります。まず該当のホテルのWEBサイトを探すことから始まります。ホテルのWEBサイトや航空会社のサイトは予約方法もサイトの作構成も異なり、それらに一件ずつ個人情報や予約情報などを入力するのはかなり骨の折れる作業です。
ホテルと航空券、あるいはホテルと新幹線という組み合わせであれば、旅行会社のダイナミックパッケージが便利です。確かに操作は複雑ですが、一つの旅行会社のサイトに一度使い慣れておけば、次の旅行にも応用できます。全国各地の航空券、ホテル、レンタカーなどが網羅されているためかなり応用が利きます。個人情報の入力はもちろん一度だけで、複数のホテルを予約でき、航空券の座席指定などきめ細かな対応もできます。予約の手間を考えた場合、結局のところ、旅行会社のダイナミックパッケージがベストの選択と言えます。個人情報の入力も一度限りでよく、購入後の問い合わせ等も一元管理できます。また登録されているホテルも信頼のおける有名ホテルのみで構成されているため、ほぼ満足できるといって良いでしょう。個人でホテルを探した場合、探す手間もかかりますし、失敗する確率も増えます。
航空券とホテルの単純な組み合わせの場合、もう一つの良い方法があります。航空券は航空券予約サイト、ホテルは旅行会社のサイトまたはOTAでというように二つに分ける方法です。ダイナミックパッケージの場合、使える航空会社が限定されます。優れた航空券予約サイトの場合、大手航空会社だけではなく、その空港の路線がある全ての航空会社が網羅されています。それにはLCCや変更可能航空券なども含まれ、料金の比較もできます。出発空港や到着空港が新千歳、羽田、成田、関空、中部、福岡など大空港の場合、就航する航空会社も多く、中には破格の航空券もあります。それらを見逃さないためには、航空券予約サイトからの予約以外ないといっても良いでしょう。操作性も簡単で、往路と復路を別の航空会社を使うことも可能です。
旅行会社のサイトでもダイナミックパッケージ以外に、ホテルのみを購入することができます。ダイナミックパッケージ同様、全国のホテルを網羅しており、一泊目、二泊目、三泊目とそれぞれホテルを変えることが可能です。OTAも操作性だけでいえば旅行会社のサイトでのホテル予約とそん色ありません。OTAに登録されているホテルは旅行会社サイトに登録されているホテルよりも数が多く選択肢は増えますが、その分あまり質の良くないホテルも含まれているので注意が必要です。OTAの中でも高級ホテル・旅館専門のOTAもあり、これらであればクオリティの問題は無いといっても良いでしょう。ただ、これらのOTAは加工されている写真が多く使われており、写真と実際の雰囲気が違う場合が多いことがよくあります。
OTA推奨はどのようなケースか
OTA推奨はどういう場合かというと、各企業の経済圏の利用度が高い場合といえます。楽天ポイントや楽天カードなどをメインで利用している場合は、「楽天トラベル」、yahoo・paypay系がメインの人は「yahooトラベル」や「一休」、リクルート系であれば「じゃらん」が該当するOTAとなります。OTAとはオンライントラベルエージェントの略で、店舗はなくオンラインのみの旅行会社という意味です。OTAにもコールセンターはありますが、旅行業経験者は少なく、問い合わせしても即答できないことが多いなどのデメリットがあります。しかし、宿泊代金がそれらのポイントに加算され、それによってランクアップしたりすることを考えると、利用者によっては大きなメリットになります。海外系のOTAは国内宿泊に関しては、的外れな情報も多く、あまり推奨できません。ただ目的の宿泊施設が決まっている場合に関しては、利用しても問題はありませんし、独自のポイントなどがありますので、各海外OTAのヘビーユーザーは当然するメリットはあります。
OTAは一般の旅行会社で予約するより安いのか
OTAが一般の旅行会社より安いということは言えません。場合によっては、OTAのほうが高いケースもあります。ホテルなどの料金については、旅行会社を通しても、OTAを通しても価格の決定権はホテル側にあります。通常は同一プランであれば、旅行会社であろうとOTAであろうと、ホテル自身のサイト予約であろうと同一料金が基本です。
ただ一部の宿泊施設は自社サイトや旅行会社で売れ残った分をOTAで価格を下げて売りさばくというようなことをやっている場合があります。あまり感心できる行為とは言えませんが、旅行者にとっては価格が安いにこしたことはなく、掘り出し物といえます。ただし全く同一プランということは少なく、プランに何らかの制限事項や変更を加えている場合が多いので注意が必要です。
そのため、OTAを利用する場合は、単純に大手旅行会社の価格と比較するだけではなく、そのプランの条件を詳細まで確認したうえで購入する必要があります。