西日本から尾瀬旅行へ旅行する場合、埼玉県の大宮または川越を拠点に選ぶ人はあまり多くはありません。尾瀬旅行にはハイキングがともなうため、ハイキング初心者にとっては、尾瀬に到着するまでの疲労を減らすことが、一番重要な点です。西日本から尾瀬に行くにはさまざまな交通手段、宿泊する拠点の組み合わせが考えられますが、もっともおすすめなのが大宮または川越を拠点にするという方法です。もう少し具体的にいうと、大宮または川越で2泊し、夜行高速バスで尾瀬戸倉まで行き、そこから乗合いバスで尾瀬ヶ原の玄関口「鳩待峠(はとまちとおげ)」に行くというものです。
1日目:西日本各空港 ー(空路)ー 羽田空港 ー(京浜急行 約15分)ーJR品川駅ー(JR上野東京ライン 約40分)ーJR大宮駅ー(徒歩3分)ーパレスホテル大宮(チェックイン15:00~)ー(徒歩1分)ー新生銀行前サンシャインツアーバス(23:45集合)ー23:55夜行バス発
2日目:(早朝4時ころ鳩町峠に到着)ー自由行動ー16:00鳩町峠集合ー16;10バス発ー大宮駅西口(20:00頃到着予定)ー徒歩1分ーパレスホテル大宮(泊)
3日目以降 大宮を拠点とした旅行or帰宅
1日目:西日本各空港 ー(空路)ー 羽田空港 ー(東京モノレール 約20分)ーJR浜松町駅ー(JR山手線 約30分)ーJR池袋駅ー(徒歩3分)ー 東武鉄道池袋駅 ー (東武東上線 急行約30分)ーJR川越駅ー(徒歩2分)ー川越東武ホテル(チェックイン14:00~)ー(徒歩1分)ー川越駅西口バス停(23:25集合)ー23:35夜行バス「尾瀬号」発
2日目:(早朝3時半ころ尾瀬戸倉に到着)ー各自連絡バスなどで鳩町峠へー(自由行動)ー各自連絡バスなどで尾瀬戸倉へー高速バス「尾瀬号」14:20発(または15:00)ー川越駅西口(17:25・17:50頃到着予定)ー徒歩1分ー川越東武ホテル(泊)
3日目以降 川越を拠点とした旅行or帰宅
多数ある尾瀬への行き方のうち、なぜ埼玉から夜行バスを使うのか
西日本から直接尾瀬へ公共交通機関のみの移動は、長い路線バスがネック
尾瀬は大阪以西の西日本在住者からも人気が高いのですが、難点はそのアクセスです。例えば大阪からであれば、東海道新幹線と上越新幹線を使い、「上毛高原駅」から路線バスに乗り、「尾瀬戸倉」で一泊、翌日乗り合いバスで「鳩待峠」というルートがまず思い浮かびます。
この場合、約4時間の新幹線の移動のあと、路線バスに2時間弱も乗らなければなりません。上毛高原駅から尾瀬の拠点となる戸倉温泉へは距離にして50km弱、バス停が80か所以上もあります。移動だけで相当な労力で、当日に尾瀬のハイキングはかなりの強行軍です。尾瀬戸倉温泉に一泊して翌日に尾瀬ハイキングというのが一般的ですが、ハイキングが終わってそのまま大阪まで帰るのもまた大変ですので、どこかでもう一泊は必要でしょう。
尾瀬付近に宿泊した場合、他の観光地へのアクセスが困難
尾瀬戸倉は30軒ほどの小規模な旅館やペンションなどが集まった温泉地で、尾瀬付近で宿をとるなら、ここが最も便利ですが、ここに泊まった場合、尾瀬でのハイキングや自然散策などを除き、他の旅行スポットやアクティビティなどはあまり期待はできません。
尾瀬は、ある程度のハイキングや登山に慣れている人にとっては様々なコースを選ぶことができます。尾瀬戸倉温泉から乗り合いバス、タクシーなどで行ける標高1591mの尾瀬の入り口「鳩町峠」から尾瀬ヶ原の往復コース、路線バスで行けるもう一つの尾瀬の入り口「大清水」から尾瀬沼の往復コース、尾瀬ヶ原と尾瀬沼を縦走するコース、燧ケ岳や至仏山への登山、尾瀬ヶ原から三条ノ滝までのハイキングなど、尾瀬だけでも十分過ぎるほどのボリュームがある場所です。これら尾瀬のハイキング、登山を満喫する人にとっては他のアクティビティなどは不要といえますが、体力にあまり自身の無い、一般旅行者にとっては行ける場所は限られており、このページで紹介する尾瀬とは、最も簡単な「鳩待峠から尾瀬ヶ原往復コース」です。
日本最大の高層湿原「尾瀬ヶ原(おぜがはら)」は広大な尾瀬国立公園の核心部分であり、尾瀬で最も魅力的な部分です。この尾瀬ヶ原こそが、遠方から旅行者を尾瀬へ引き付ける主役であり、多くの人は尾瀬といえば、尾瀬ヶ原を思い浮かべるはずです。尾瀬ヶ原の入り口にあたる鳩待峠は標高1591mの高さにあり、尾瀬ヶ原は標高1400m程度です。つまり鳩待峠から尾瀬ヶ原まではゆるやかな下り坂を1時間ほどゆっくりと下るだけでつきます。尾瀬ヶ原はほぼ平坦で木道も整備されていますから、ハイキングルートとしては最も歩きやすい部類に入ります。
尾瀬ヶ原だけを歩くのであれば、半日あれば十分です。鳩町峠から尾瀬ヶ原の入り口にあたる山ノ鼻までは往路約1時間、復路約1時間20分かかります。そこから多くの人が折り返し地点とする下田代十字路までの往復時間が約4時間、合計6時間20分ほどが、このコースの歩行時間の目安で、これに休憩時間や食事時間など入れ8から9時間くらいの滞在が標準だと思います。物足りない場合は、さらに先に進めますし、縦走も可能です。逆に体力的にきつい場合は、もっと手前で引き返せばよいだけです。
ハイキングとしてみれば、これほど充実したコースは他にないというほどの美しいコースですが、遠方から2泊3日の日程で来た場合、尾瀬での半日で旅行コンテンツが終わってしまうことになります。かといって2日連続ハイキングは体力的にきついでしょうから、もう少し楽な別の観光を取り入れたいという人も多いでしょう。
尾瀬にプラスアルファで別の観光地にも行きたい場合、尾瀬周辺に宿泊するのはあまりおすすめできません。例えば尾瀬戸倉温泉に宿泊した場合、別の観光地に出るには、まず路線バスで1時間半かけてJR沼田駅に行くことから始まります。その点埼玉県の大宮や川越であれば、他の観光地へのアクセスは非常に容易で、大宮や川越にも多数見どころがあります。旅行全体の充実度を考慮に入れた場合、宿泊地は大宮か川越が良いということになります。
大宮や川越から尾瀬へ夜行バスを使う理由
朝に出発する尾瀬行きの高速バスもありますが、尾瀬付近で宿泊しないのであれば夜行バスが基本です。早朝のバスに乗った場合、尾瀬に到着し、歩き始める時間帯は早くても11時前後になります。11時から歩き始めた場合、尾瀬ヶ原に到着するのが正午ころです。これでは帰りのバスの時間が気になりゆっくりと見て回れません。登山やハイキングの基本からいっても、昼からの行動では遅すぎます。一般的に山の天気は午前中が最も安定しており、夕方には夕立や落雷といった危険性が高くなります。また夏であれば、高所とはいえ12時から15時の間は最も気温が上昇し、熱射病のおそれもでてきます。早朝は比較的気温が低く、空気が澄み、写真をとったり景色を眺めたりするにも適しているといえるでしょう。早朝、日の出とともに歩き始めることができるというのは、夜行バスにしかない利点です。
では、なぜ宿泊地点を東京ではなく埼玉県の大宮や川越がよいかといいう点ですが、それは最も体力を温存し、ハイキングに備えることができるからです。相当体力に自信のある人を除き、西日本から尾瀬まで移動し長時間のハイキングをするというのは、かなりの疲労をともないます。夜行高速バスの中で睡眠をとれなくもありませんが、バスの座席に座ったままでは十分な休息はとれません。前日早めにホテルにチェックインし、夜行バスに乗車する前にゆっくりとホテルのベッドで休息をとることが、尾瀬のハイキングを成功させるコツです。
首都圏から尾瀬への高速バスはいくつかありますが、その多くは新宿のバスターミナル「バスタ新宿」発のものです。新宿から尾瀬までの夜行高速バスの乗車時間は6時間前後かかりますが、大宮や川越から乗車した場合、乗車時間を1時間から1時間半短縮できます。さらに新宿などで宿泊し、バスタ新宿からバスに乗車する場合、ホテルからバス乗車までの移動時間が意外とかかります。その点、大宮にはパレスホテル大宮、カンデオホテルズ大宮など、川越には川越東武ホテルという格好の宿泊施設があります。新宿にもバスタ新宿付近に良いホテルはあることはありますが、調べてもらえばお分かりになると思いますが、料金が比較にならないほど高額です。大宮や川越に宿泊した場合、バス発車のギリギリまでホテルで休息することができます。15時にチェックインした場合、バス発車の23時台まで8時間以上ありますから、十分に体を休めることができるはずです。
新宿発より、尾瀬に近い大宮発・川越発のバスのほうが当然バス発車時刻は遅く、更に大宮・川越のバス乗車場所と宿泊場所との距離が近いため、バスに乗車する前に、長旅で疲れた体力を十分に回復するための時間がとれるということが、大宮または川越からの夜行バスを使う理由です。
西日本から埼玉宿泊の尾瀬旅行の計画
旅行一日目:西日本から羽田空港ー大宮・川越に宿泊し尾瀬行き夜行バスに乗るまで
(計画の第一段階)尾瀬旅行の日程を決める
西日本という大きなくくりをしましたが、これは要するに遠方から飛行機で尾瀬旅行する場合、日本全国各地を出発して共通するプランです。西日本だけではなく、北海道や東北などで、羽田空港と直行便のある空港が近くに住んでいる場合、同様のルートがおすすめです。
逆に尾瀬に比較的近い地域、名古屋・長野・金沢・新潟・東北地方などで新幹線でアクセスがしやすい場所に住んでいる場合は、上越新幹線の上毛高原駅から路線バスに乗り継ぐというルートも一考に値します。さらに近い尾瀬の近隣県在住者や関越自動車道にアクセスしやすい人の場合、マイカーやレンタカーも十分可能です。実際、関東在住者が尾瀬の短時間のハイキングをする場合は、新幹線や電車、バスなどを使うよりもマイカーで行く人が圧倒的に多いようです。
西日本や北海道から尾瀬に行く場合、どのような交通手段で行くにせよ、一日目に尾瀬に入山することは相当体力的なハードルが高く、ハイキングや登山に慣れた人以外にはおすすめできませんから、途中どこかで一泊する必要があり、その宿泊最適地が埼玉県の大宮と川越だというのが、前節の内容です。
西日本などから尾瀬に行く場合、最低2泊3日は必要と思ってください。大阪から0泊2日で行く人もいるくらいですから、2日目の尾瀬ハイキングが終わった後、直接帰宅する1泊2日は不可能ではありませんが、おすすめはできません。体力面・安全面などでもそうですが、帰りのバスが定時通りに戻れる保証は全くないのが最大の理由です。特に休日の上りの関越自動車道は渋滞がつきもので、バスが遅れても飛行機は待ってくれません。
尾瀬への旅行計画は、まず3日間以上の日程を確保するところから始まります。初心者でも安心して尾瀬のハイキングができるシーズンは5月下旬から10月上旬くらいまでの短い期間で、この期間内に3連休をとる必要があります。固定の勤務ではなく、時間の自由がある人の場合は、人の少ない平日が良いでしょう。しかし、他の人気旅行スポットほど混雑をさけ平日にこだわる必要はありません。尾瀬ヶ原だけでも面積は相当広く、人が密集するほど混雑するというのは近年あまり見かけません。尾瀬ヶ原の木道は、他の小さな湿原のように一本道ではなく、いくつかの分岐があり、ルートが複数にわかれています。入山数が多くても、分岐である程度人が分散していくため、それほど人が多いようには感じません。
他の山の場合、夏休みシーズンや高山植物の花咲く7月頃が最も混雑する時期ですが、尾瀬の場合、それより早い6月初旬のミズバショウの咲く時期が最も人の多い時期です。確かにミズバショウが一面に咲く光景は尾瀬の代名詞ですが、その時期は他の花は少なく、花の種類でいえば6月中旬から7月にかけてが一番多い時期です。そしてそれらは季節とともに入れ替わり、9月上旬まで花の季節は続き、9月中旬からは草紅葉ひろがる秋の景観に代わります。ですから、尾瀬の景観についていえば、ベストシーズンというものは無く、それぞれの季節に違った良さがあるといえます。どうしてもミズバショウを見たいという人を除き、6月初旬にこだわる必要はありません。残雪の消える5月下旬から、降雪前の10月初旬の間で、3連休をとれる日を確保することから尾瀬旅行の計画は始まります。
(計画の第二段階)羽田空港までの飛行機を探す
尾瀬への旅行日が決まったら、飛行機とホテルを決めます。飛行機とホテルの予約方法の詳細については次節以降で説明しますが、この段階では、まず朝自宅を出て、何時に羽田空港に到着できるかを把握するのが先決です。そのためには自宅に近い空港から羽田空港への直行便の時間帯を調べる必要があります。ここで紹介する尾瀬旅行は大宮または川越発の23時台の夜行バスを使いますので、羽田空港へ直行便のある空港からであれば、どの空港からであっても余裕で間に合います。しかし、尾瀬ハイキングの体力温存ため、ホテルで十分な睡眠をとるということを考えると、15時頃にはホテルにチェックインしたいところです。飛行機から降り、ホテルにチェックインするまでの時間は羽田空港から、大宮・川越までの単純な移動時間だけではなく、荷物受け取りの時間や、空港内の移動時間、食事時間などを考慮しなければなりませんから、3時間程度は見ておくべきです。そうすると昼12時頃羽田空港に到着する便がベストということになります。
ここから先は、飛行機に乗りなれている人であれば、説明するまでもない内容ですので、読み飛ばして結構です。
関西・伊丹・新千歳・福岡・沖縄といった大空港から羽田空港までは一時間に一本以上の便があり、また九州・四国の各県の空港も羽田路線の便は十分にありますので、昼頃到着の便に乗れば良いだけです。中国地方は若干注意が必要で、空港によっては羽田路線の便数が少ない場合があります。離島や北海道の空港の一部は直行便が一日一便しかなく、理想到着時間よりかなり遅れるため、このプラン自体が当てはまらなくなる場合もあります。
直行便という言葉を使いましたが、飛行機で移動する場合、一本の便で移動する直行便と、別の空港で乗り継ぐ乗継便があります。乗継便の場合、中継地点の空港で、乗客が飛行機から飛行機へ移動する時間の他、荷物の積みかえる時間が必要なため、思いのほか時間がかかります。幸い羽田空港へは多くの空港から直行便が出ているので、直行便を利用するのが基本です。以下の表1で自分の住む地域の近く空港から羽田空港までの直行便の有無を確認してください。
エリア | 羽田空港との直行便が就航している空港 |
---|---|
北海道 | 新千歳空港、旭川空港、函館空港、女満別空港、帯広空港、旭川空港、稚内空港、中標津空港、紋別空港 |
東北 | 青森空港、大舘能代空港、秋田空港、山形空港、三沢空港、庄内空港 |
北陸 | 小松空港、富山空港、能登空港 |
近畿 | 関西空港、伊丹空港、神戸空港、南紀白浜空港 |
中国 | 広島空港、岡山空港、山口宇部空港、鳥取空港、米子空港、出雲空港、萩石見空港、岩国空港 |
四国 | 高松空港、徳島空港、高知空港、松山空港 |
九州 | 福岡空港、北九州空港、長崎空港、佐賀空港、大分空港、熊本空港、宮崎空港、鹿児島空港、奄美空港 |
沖縄 | 沖縄那覇空港、石垣空港、宮古空港、久米島空港、下地島空港 |
上記エリアで羽田との直行便がない空港は主なものでは仙台空港、福島空港、いわて花巻空港と各離島の空港です。
離島の空港の多くはエリアの中心空港からの乗継便があります。
上のリストのとおり西日本の主な空港はほとんど羽田空港への直行便があります。最も遠い石垣島からでも約3時間で羽田空港に到達しますので、上記に挙げた他のどの空港からの直行便でも3時間以内で羽田空港には到着します。当日中に余裕をもって大宮や川越のホテルにチェックインすることは可能です。直行便があっても便数の少ない空港もありますので、場合によっては電車、新幹線との併用も必要な場合も考えられます。例に挙げた石垣空港の場合、一番早い時間帯が10:35発-13:30着となりますので、理想等着時間の12時よりは少し遅れてしまいます。乗継便を使えばもう少し早くに羽田空港に着くことは可能ですが、到着が13:30着程度であれば妥協可能な範囲内だと思います。理想到着時間12:00、理想チェックイン時間15:00としたのは、ホテルについてから荷物をまとめたり、準備をしたりする時間を1から2時間程度として、ホテルのベッドで6~7時間睡眠をとれるということを仮定しているからです。人によっては、飛行機やバスの中でも十分寝れるひともいますし、睡眠時間が少なくても大丈夫な人もいます。その辺はご自身の適性に合わせて考えてみてください。表1のリストの空港全ての便を私自身把握しているわけではなく、空港によっては、更に遅い到着になる場合もあります。例えば、鹿児島県の奄美大島や北海道のオホーツク門別の場合、到着時間はさらに遅くなります。あまりにチェックインが遅くなる場合は、わずかな滞在時間でホテルを一泊分予約するのは費用の無駄ですので、別のプランを考えたほうが良いと思います。
逆に新千歳、関西、福岡などの大空港の場合、便数や航空会社が多すぎて、何を選べば良いかわからないということもあるでしょう。その場合、ホテルと飛行機がセットになったパッケージツアーを探してみることをおすすめします。パッケージツアーは一括で予約できるため、予約入力の手間を削減でき、料金面、確実性など何かとメリットがあります。
適当なパッケージツアーが見つからなかった場合は、航空券とホテルを別々に予約する必要があります。居住地に近い空港から羽田空港の便を探す場合、航空会社のホームページから探す方法もありますが、複数の航空会社が就航している場合、非常に手間がかかります。以下のような航空券比較サイトで調べるのがてっとり早い方法です。
該当の航空便を探す段階では、どのような航空券予約サイトを使っても構いませんが、大手の航空券予約サイトでは、当ホームページでも何度も紹介している「ena」がおすすめです。シンプルで見やすい画面で、条件の絞り込みも充実しています。
(計画の第三段階)宿泊場所を決める
次に宿泊場所を大宮にするか川越にするかを決める必要があります。利便性という意味では、どちらもそれほど違いはありません。羽田空港からのアクセスに関していえば、一回の乗り換えだけで到着する大宮が便利ですが、尾瀬へのアクセスでいえば、川越の方が高速道路に近いためバス乗車時間が少なくて済みます。ショッピングに関して言えば、大宮が有利ですが、近隣の観光名所の多さでいえば川越です。
2泊3日の旅程であれば、第2日目のほとんどが尾瀬旅行に充てられるため、埼玉へ戻ってきてからの観光にあてられる時間は多くはありません。しかし尾瀬旅行の内容は山でのハイキングですから、天候や体調によって、急に行けなくなる可能性があることを忘れてはいけません。大宮や川越であれば、多少の雨天であれば観光は可能です。バスのチケットは無駄になってしまいますが、直前の天気予報をみて、あるいはその時の気分次第で、尾瀬旅行を取りやめ、埼玉旅行へ変更ということもできるということです。
ホテルを大宮か川越かを決める前に、雨天時の代替旅行ルートをおおまかにイメージしておく必要があります。雨天時の埼玉旅行については以下のページで紹介しています。
埼玉旅行 雨天対策これらのことを総合して、宿泊地を大宮にするか川越にするかを決めますが、最終的な決め手はホテルになります。大宮周辺は埼玉県内でもっともホテルが充実している地域ですから、選択肢は多いですが、駅・バス乗り場の双方からすぐ近くという条件と、ホテルの総合力で見るなら「パレスホテル大宮」が第一候補です。部屋タイプもシングルルームからスイートルームまで種類が多く、喫煙ルーム指定もできます。ホテルの滞在時間が少ないことも考えるとオーバースペックともいえますが、料金は決して高くはなく、まず第一に検討してみる価値はあります。
川越駅周辺はそれほどホテルは多くありませんが、2020年に開業した「川越東武ホテル」が施設の新しさや快適性など考慮するとベストです。川越東武ホテルはシングルルームはありませんが、ダブルルームが73室あり、シングルユースを前提としていると思われます。川越東武ホテルは喫煙ルームがないため、もし喫煙ルームを希望する場合、川越駅東口の川越第一ホテルが良いでしょう。
(計画の第4段階)夜行高速バスを決める
第三段階で宿泊場所を大宮か川越かを決めた時点で、自ずと乗車する夜行高速バスが決まります。もちろんここで紹介する以外の夜行バスもありますが、ここでは出発時間・到着時間などの条件が最適と思われるバスを各拠点につき1社ずつ挙げます。
大宮を拠点にする場合:サンシャインツアー【尾瀬】夜発日帰り 鳩待峠プラン
川越を拠点にする場合:東武トップツアーズ 高速バス「尾瀬号」プラン
大宮のパレスホテルを拠点にする場合はサンシャインツアーのバスを利用します。パレスホテルの向かいにある新生銀行前がサンシャインツアーのバス乗り場です。パレスホテル前の2階デッキから歩道橋でつながれているため、1分もかからず反対側の歩道に降りることができます。
一方川越東武ホテルを拠点とする場合、川越駅に戻り、駅の西口の階段を降りたところに西口のバス乗り場があります。この川越駅西口の7番乗り場からバスが出発します。詳しくは各公式ホームページで確認してください。
大宮から乗るサンシャインツアーのバスは鳩待峠が終点ですので問題ありませんが、東武トップツアーズの場合は終点が大清水という場所になります。大清水も尾瀬の登山口の一つですが、今回のコースは鳩待峠からのコースですから、大清水手前の尾瀬戸倉で降りる必要があります。
尾瀬ヶ原ハイキングでの注意点など
ハイキング全般に関する注意事項は別にページを作りたいと思いますが、ここでは尾瀬ヶ原特有の注意事項などを何点か挙げようと思います。
まず、気候についてですが、尾瀬は標高1500m前後の高地にあるため、平地に比べると、基本的に気温が9度程度低くなります。夏山シーズンであっても防寒着・レインウェアは必須です。単純に平地の気温から9度下というわけではなく、風や雨などにより、体感温度は更に下がります。
次に尾瀬ヶ原の道は、木の杭に板を渡した木道(もくどう)と呼ばれる道がほとんどです。尾瀬の木道は傾斜も少なく、非常に歩きやすいのですが、木道歩きに慣れていない場合、スリップしたりつまずいたりする可能性がありますので、慎重に歩いてください。通常よりもゆっくりと歩くのはもちろんですが、平地のアスファルト道を歩くよりも、わずかに足を高く上げることを意識し、真上から踏みしめるように歩くのがコツです。木道自体はハイヒールなどを除き、ほとんどの靴で歩くことはできますが、鳩待峠から尾瀬ヶ原に至る道は、完全な登山道ですので、最低でも運動靴やスニーカーは必要です。トレッキングシューズがベストですが、用意できない場合、底が厚めで、作りが頑丈な靴が良いでしょう。新品の靴は靴擦れを起こしますので、履きなれておいてください。