ワーケーション&ブレジャー
ワーケーションとブレジャーはゴールデンウィークの渋滞を無くす?
多くのサラリーマンにとって、旅行とは土日に行ける時間と範囲の中で行うものでした。ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの連休を利用して、ようやく長期の旅行ができれると言ったところでしょうか。
ところが、ゴールデンウィークやお盆、年末年始といった連休は、日本全国の多くの人達が大移動を始めるので、人気の観光地はものすごい人混みで、ホテルを取るにも、高額かつ満室だらけの状況です。車での移動なら、渋滞や駐車場不足。楽しいはずの旅行が、苦行になりかねません。
近年耳にするようになった、ワーケーションとブレジャーという制度が世の中に浸透すれば、もしかするとこのような悩みから解放されるかもしれません。
ワーケーションとブレジャーとは
ワーケーションもブレジャーも、企業での働きかたの制度の一つです。コロナ禍で広まったテレワークの延長線上と考えればわかりやすいかもしれません。
ワーケーションとは簡単に言うと、リゾート地などに場所を変えて、テレワーク等を使って仕事をすることです。
ブレジャーとはBusiness+レジャーの意味で、例えば仕事で地方に出張に行ったあと、そのまま会社に戻らずレジャーをするというものです。
旧来の日本の企業では絶対に認められないような価値観です。
しかしながら、このような制度が注目されてきた背景には、日本企業の画一的な経営による、日本経済全体の閉塞感や、大都市集中による地方の疲弊などがあり、新たな価値観を生み出そうという理念があってのことと思います。
ここではそのようなことに触れず、企業がこれらの制度を取り入れた場合の社員側のメリットに絞って述べたいと思います。
ワーケーションとブレジャーのメリット
まずブレジャーについてですが、出張先のホテルを利用し、そのまま有休を過ごせるということができれば、自宅起点の旅行の行動半径を遥かに超えて、いろいろな観光をできます。更に出張先への往復の交通費は、そのまま帰社しようと有給で滞在期間を延ばそうと、そう変わることはありませんから、金銭的にもかなりのメリットになります。例えば東京勤務の人が福岡に出張になった場合を考えてみると、東京福岡間の航空券の料金と移動時間と手配の手間が節約できることになります。
ワーケーションについては、その滞在地自体が癒しになるのが前提ですので、勤務後はもちろん、勤務中でも普段と違ったリラックスした雰囲気でできるというメリットがあります。イメージしづらい人のために、後ほど具体例も挙げたいと思います。
ワーケーション&ブレジャーを実際に導入した企業
実は既にこのような企業がワーケーションやブレジャーを導入済みです。
上の一覧にはでていませんが、旅行会社のJTBは自らがこの制度を導入したにとどまらず、ワーケーションプランというビジネスにまでしてしまいました。
JTBとスノーピークによるワーケーションの提案
またB to Bのビジネスとして、アウトドアブランドのSnowpeakとタッグを組んで、「キャンピングオフィス」という商品まで作ってしまったようです。もちろん、これは企業向けですので、個人の方にお勧めしてもしかたがないのですが、一つのワーケーションの事例として見ていただければと思います。
このページの写真や動画から雰囲気が伝わると思います。世の中の会社全てがこのように変わってしまったら、それはそれで怖いと思いますが、このような会社からは素晴らしいアイデアや商品が出そうですね。
自宅でのテレワークは旅行とは言えませんが、ワーケーションは旅行と言っても過言ではない、その理由がわかってもらえると思います。
クーコム株式会社の提案
クーコム株式会社は卸売価格でホテルを会員、または有料会員にサブスクリクション型で卸売価格よりも安い価格で提供するというサイト「トクー」を運営している会社です。全く従来の旅行業とは違ったビジネスモデルで、展開している会社です。
その会社が従来のビジネスモデルの強みを生かし、ホテルをワーケーションの場所として、長期利用してもらうというサイト「The Worke」を営んでいます。クーコム株式会社はこのワーケーション事業を、既に経営の4本柱の一つと位置付けています。
The Workeのコンセプトは前項で紹介したJTB/スノーピークのコンセプトとは180度異なります。
JTB/スノーピークプランでは大規模な新たなワーケーション空間が生み出され、まさに旅行を体現しているといえますが、その一方、大掛かりであるため中小企業などには敷居が高く、あくまで大企業向けのような印象を受けます。
クーコム株式会社プランは、既に自社で提携しているホテルの中でワーケションに適したホテルを抜粋し、そこに長期利用の個人を呼び込もうというコンセプトです。JTB/スノーピークプランでは、会社のトップが了承し、会社の経費で契約することが前提となっていますが、クーコムプランでは、顧客は個人でも可能です。
会社は社員個人のワーケーションを認めるか
ある会社の社員が、個人で勝手にホテルでワーケーションをするのが許されるのか、という問題がありますが、世の中の流れは、それが出来るような方向になってきているというのが現実です。
コロナ禍により、テレワークが現実にできるということが、多くの会社で実証されました。自宅でテレワークできるのであれば、ホテルで出来ない理由はありません。
また政府による、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、社員がテレワークしやすい環境はますます拡大していくと予想されます。
さらに、既にいくつかの自治体がワーケーション推進の補助金を出しており、会社側がワーケーション導入のモチベーションが高まる要因の一つになっています。
コロナ禍で実際にテレワークをしてみて、仕事の環境面で不便があったり、能率が落ちたりという声もありました。
クーコム「The Worke」の優位性
個人がホテルでワーケーションする場合、なぜクーコム株式会社を通すのかという疑問ですが、
まず一つ目は、本来持っている、卸値価格でホテルを使えるという価格的な優位性が考えられます。個人でホテルと交渉しても、いくら長期利用とはいえ、このような価格で利用できることはありません。
もう一点は、ホテルには元々ワーケーションのノウハウは無く、クーコム株式会社の専門の会社が一枚咬むことによって、ホテルの一室をオフィス同等の空間に近づけることができるからです。まだワーケーション自体日が浅いため、ノウハウは確立されているとは言えないと思いますが、これから先、多くの事例から様々なノウハウが蓄積され、仕事のしやすいワーケーション空間を構築できると予想されます。