国民の祝日以外にも、日本には様々な記念日があります。あまりにも多すぎるため、そのほとんどは、気にも留められないことが多いようです。埼玉県の代表的な観光地長瀞にも記念日があります。7月から「なが」10+6=16日から「とろ」と語呂合わせし、2019年より7月16日が長瀞観光の日と制定されました。
「長瀞観光の日」に注目すべき理由
長瀞は春夏秋冬に満遍なく見どころがあり、一年中楽しめるエリアですが、最も人気のシーズンは夏です。夏は長瀞を代表する、ライン下り、ラフティング、SUPなどといった水しぶきを浴びるアクティビティの最も気持ちの良いシーズンです。夏の長瀞の山々や渓谷は緑が深みをおび、秘境感が増します。長瀞名物のかき氷も夏の食べ物といって良いでしょう。
長瀞(ながとろ)へ旅行するには、近隣県であれば日帰りや一泊で十分楽しめるエリアですが、遠方から飛行機や新幹線で旅行する場合、最低2泊3日はほしいところです。2泊3日旅行であれば、2日目は一日中長瀞の観光やアクティビティにあてることができます。しかし、多くの人にとって、3連休はいつでもとれるわけではなく、土日や祝日に有休休暇をつなげたりという場合が多いのではないでしょうか。
遠方から長瀞への旅行者の多くは、8月のお盆休みや夏季長期休暇を利用して訪れます。しかし、7月にも絶好の日程があり、それが祝日「海の日」です。海の日はもともと毎年7月20日でしたが、2003年より7月の第3月曜日に変わりました。そして、この「海の日」が「長瀞観光の日」と重なることが多いのです。「長瀞観光の日」の制定された2019年は7月15日が海の日で、その翌日が長瀞観光の日、2022年は「長瀞観光の日」の翌々日の7月18日が「海の日」、そして2023年は「長瀞観光の日」の翌日17日が「海の日」です(2021年と2022年は例外的に東京オリンピックの関係で7月23日へ海の日が変更されました)。2024年以降のカレンダーを見ても「長瀞観光の日」と「海の日」が近づく年が多くあります。
「海の日」前後の長瀞は梅雨が明け、快晴の日も多く、夏の長瀞を満喫するには絶好の時期です。海の日を含む連休は、日本各地の人気観光地は非常に混雑しますが、長瀞の場合、特に混雑しません。もちろん平日よりは混雑しますが、普通の土日とそう変わらない印象です。長瀞への旅行者の多くは県内や近隣県が多く、近郊からの旅行者はあえて長期休暇を狙う必要はなく、土日の連休で十分です。反対に全国的な知名度の高い観光地は、3連休となると遠方からの人が集まり普段の土日以上に混雑します。
以上のようにいろいろな側面から「海の日」の三連休は遠方からの長瀞観光には最適といえます。そう考えると「長瀞観光の日」の制定自体、単なる語呂合わせではなく、もともと海の日の三連休を狙ってつくったようにも見えてきます。
「長瀞観光の日」は観光協会主催のイベントの他、長瀞の宿泊施設、飲食店、博物館、アウトドア業者などが参加し、食事代・宿泊代・入館料アクティビティの割引やプレゼントなど様々なものがあります。一つ一つの優待を見れば大したことがないかもしれませんが、長瀞という狭いエリアの行く先々で優待を受けられることを考えると、かなりお得です。「長瀞観光の日」当日の7月16日だけではなく、何日間か続く優待もあり、その多くは海の日三連休が含まれます。
注意が必要なのは、長瀞観光の日の優待期間内であっても、申告しなければ割引にならない施設が多い点です。つまり一部の参加企業は、予約時に「長瀞観光の日割引」を使いたいと申告しなければ割引にならないということです。「長瀞観光の日」は2019年にできたばかりで、関東地方においても知らない人がほとんどです。7月の休日は何もしなくても関東近郊の日帰り客などで繁盛するかき入れ時です。本音を言えば値引きなどしたくないに違いありません。「長瀞観光の日」は遠方からの旅行客誘致のための施策ではありますが、近郊遠方で差をつけるわけにもいきません。「長瀞観光の日」の優待は、知らないと損、知っていると得をする優待ということができます。
遠方から夏に長瀞への旅行を計画している場合、「海の日3連休」は最もねらい目です。遠方からでも二泊3日あれば長瀞は十分に楽しめますし、アクティビティ・観光両面において長瀞が最も魅力的な時期の一つです。3連休だからといって特段混雑もせず、その上、多くのスポットで「長瀞観光の日」の優待が使える場合があります。ただその優待をフル活用するには、内容を事前に知っておく必要があります。
記念日認定の意味
建国記念日、憲法記念日、敬老の日など国民の祝日として広くしられた記念日以外にも、たくさんの記念日があります。有名なところでは、日本眼科医会による目の愛護デー10月10日や、郵政省が定めた2月3日ふみの日などがあります。これらの記念日は、健康・文化・思いやりの心など大切なことを、多くの人に忘れずにいてほしいメッセージを、記念日という形にしたものです。記念日にすれば、必ず一年に一度話題にすることができます。さらにキャンペーンやイベントなどにもつながりますので、記念日を作る団体側からすれば、とても良いやりかただったのです。
しかし問題は、あまりにもそれが良い方法だったために、次々と記念日が乱立されつづけました。偏った主張や、人を不快にするような記念日では問題があります。記念日を日本の文化ととらえ、不適切な記念日を排除し、日本の文化として相応しい記念日を認定し、権威付けしようという目的で、1991年一般社団法人日本記念日協会という団体が発足しました。
「長瀞観光の日」は出来て日が浅いものの、この日本記念日協会に認定されています。地方の観光地にとって、認定された記念日は、全国の人たちにその観光地を思い出してもらえる最大のチャンスになります。観光地で記念日認定されている場所はそれほど多くなく、例えば4月6日養老渓谷の日、6月4日杖立温泉蒸し風呂の日などです。
日本の記念日は認定のものと、非公式のものを合わせ数千以上あると言われています。1年の日数365日の何倍もあるのですから、この中から覚えてもらえるのは並大抵のことではありません。認定されたあとのアピールこそが重要なのです。
長瀞観光の日キャンペーン一覧
記念日を制定したからには、知ってもらう必要があります。そのため、多くの記念日には、その中心となる団体や、かかわりのある企業などで、イベントやキャンペーンを実施することが多々見られます。長瀞でも長瀞観光協会や秩父鉄道が中心になり、長瀞観光の日を盛り上げようとしています。
2022年長瀞観光の日のイベントやキャンペーンは以下の通りです。
長瀞では秩父鉄道がSLパレオエクスプレスを1日一回運航していますが、7月16日は特別に「長瀞観光の日号」と名付けて運航します。長瀞観光アンバサダーでタレントの村田綾さんが一日駅長を務め、特別社内アナウンスなどを流します。また、乗客にはクリアファイルが配られます。
その他、以下に羅列します。
- 埼玉県立自然の博物館 ミュージアムグッズプレゼント(7/16限定)
- 長瀞町郷土資料館 入館料無料(7/16限定)
- 土産店 長瀞蔵 「長瀞蔵ロゴマグネット」プレゼント(7/16限定・2000以上買った場合)
- 長生館 1泊朝食付プラン1名あたり7,160円(7/15限定・先着3組・1室2名以上の利用)
- 養浩亭 1泊朝食付プラン1名あたり7,160円(7/15限定・先着6名・1室1名も可)
- カヌービレッジ長瀞ラフティング ラフティング・ペア1組7,160円(7/16限定・前日まで要予約)
- カヌーラフティング ラフティング・ペア1組7,160円(7/16限定・前日まで要予約)
- アウトドアセンター長瀞 ラフティング・ペア1組7,160円(7/14・15限定・前日まで要予約)
- ひぐち楓庵 長瀞そば 716円(7/16限定)
- ガーデンハウス有隣 わらじかつ丼またはざるそば 716円(7/16限定)
- 大黒屋 くるみだれそば 716円(7/16限定)
- 寶-TERAS- お食事の方みそ田楽1本サービス(7/16限定・先着72名)